2024年 4月 19日 (金)

もんじゅ廃炉で待ったなし「使用済み核燃料最終処分」青森も受け入れ拒否

   昭和30年代から計画がはじまり、国家の一大プロジェクトとして1兆円以上が投じられた高速増殖炉もんじゅが廃炉の危機に追い込まれた。使用済みの核燃料を再利用して、半永久的にエネルギーを産み出す「核燃料サイクル」を実現する「夢の原子炉」とされたが、重大な事故、トラブル、大量の点検もれなどを起こし、ほとんど運転できていない。

   11月(2015年)には原子力規制委員会は、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構について「もんじゅを安全に運転する資質を有していない」として、「退場」勧告を突きつけた。これにより、国は半年をめどに、あらたな運営主体を見つけなければならなくなった。見つからなければ廃炉だ。

前提が崩れた「核燃料サイクル」

   原子力工学、原子力政策にくわしい多摩大学の田坂広志教授は「これはなかなか厳しい宿題を与えられたなという印象」だという。「文部科学省も機構もそれほどいい加減に(運営を)やってきたわけではないのに、それなりにベストを尽くしてこの勧告ですから、厳しいですよ。機構に代わる技術力、人員を持った組織が日本にあるのかというと、見つけるのはなかなかむずかしい。半年で(あらたに)作るというのもほとんど不可能ですね」

   もんじゅが廃止となれば「核燃料サイクルは壁に突き当たる」ことになり、余剰プルトニウムや使用済み燃料の最終処分などの問題が一気に噴出してくる。日本は高速増殖炉で利用するためだとして使用済み燃料の再処理を行い、すでに核兵器数千発分に相当するプルトニウムを保有している。青森県では再処理のために使用済み燃料を貯蔵しているが、「核燃料サイクルがおかしくなると、再処理もやる必要がないなら、青森がなぜ使用済み燃料を受け入れるんだという議論になる」(田坂)

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