2024年 4月 18日 (木)

中国「一人っ子政策」深刻なツケ!4・2・1家庭、失独者、黒孩子・・・政府は打つ手なし

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   中国政府は今月(2016年1月)、37年間続けてきた人口抑制策「一人っ子政策」を廃止した。急速に進む少子高齢化と労働力人口の減少への対処だが、長年にわたって人工的に出産をコントロールしたツケは大きい。

   「一人っ子政策」の導入は、鄧小平の決断だった。導入しなければ、中国の人口は今年で18億1000万人になっていた(現在13億7000万 人)。効果は歴然だが、招いたひずみは深刻で、解消の道が見えない。

   人口700万人余の江蘇省南通市は「一人っ子政策」の模範都市だった。政府が住民の結婚から妊娠、地域の子供の数まで管理し、2人目以降は避妊手術や中絶の強要、隠れて生むと年収の何倍もの罰金だ。町にはいまだに「素晴らしい一人っ子政策 老後は政府が見る」というスローガンが残る。

   その結果、60歳以上が人口の4分の1を占め、中国で最も少子高齢化が進んだ都市になった。800あった小学校はこの10年で半分以上が廃校となり、その校舎を利用している縫製工場の従業員(80人)の平均年齢は50歳だ。週1回開かれる求人相談会を訪れる若者がいない。採用担当者は「40歳以下が欲しいが、来るのはそれより上ばかり」という。

少子化望む若年層「自分も一人っ子」

   かつて中国の人口構成は年齢が上ほど少ないというピラミッド型だったが、いま子供の数が極端に少ないいびつな形だ。働き盛りの年代が減り、65歳以上が増えていく。高齢化の度合いは30年前の日本で、2040年にはいまの日本のようになるという。

   「一人っ子政策」の廃止で新生児が年間300万人以上増えると、政府は期待している。だが、若い人は2人目を生みたがらない。誰もがみな「一人っ子」で、親の愛と教育費を目いっぱい注がれて育った。3歳の息子を持つ上海の母親は「自分たちと同じように、体力と時間を一人に使いたい」という。人口問題の専門家は「出産は政策じゃなく、生活条件で決まる。ライフスタイルが変わって、多くの子を望まなくなった」と話す。大学進学率は25年で10倍である。

   家を重視する中国では、男子が望まれる。女児の中絶や間引きが広く行われ、男女の比率が狂った。生涯にわたって結婚相手が見つからない男子が何千万人というレベルになるとみられている。

   「運良く」配偶者に恵まれても、夫婦も一人っ子、子供も一人っ子。子が親の老後を見るという中国の伝統からいえば、将来はこの子供が両親と両親の親(祖父母)の計6人の面倒をみることになる。「4・2・1家庭」というが、どこもかしこも「4・2・1」だ。1人で支えきれるのか。不安は深刻だ。

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