J-CASTモバイル テレビウォッチ

「カルラのリスト」
旧ユーゴ戦犯追う 女性検察官の執念見よ

【 365日映画コラム 】
07/11/28 コメント
【PR】会員制競馬サイト

   カルラ・デル・ポンテ、スイス生まれの60歳の女性。オランダ、ハーグの旧ユーゴ国際刑事法廷(ICTY)の国際検察官で、逃走している戦争犯罪人を捕まえようと奔走している。カメラは、スイス軍の小型ジェットで世界各国を飛び回るカルラに密着して、カラジッチやムラディッチなど500万ドル(6億円)の賞金をかけられた10人を厳しく追う姿をドキュメンタリーで捕らえている。1995年ボスニア内戦のスレブレニツァで、セルビア人たちがモスレム人8000名の男性を虐殺した。民族浄化の目的で男性を殺戮し、女性を集団暴行(過日紹介した「サラエボの花」など)するという犯罪行為を冒したのだ。カルラは容赦しない。過去の実績は赫々たるものだ。スイスで麻薬金ロンダリングのマフィアと戦い、ルワンダ虐殺の犯罪人をルワンダ国際刑事法廷に送り込み、ICTYでは10人の犯罪人の一人、ミロシェビッチを法廷に引きずり出している(残念ながら彼は獄死して真相は暴かれなかった)。


   個人の犯罪であれば、当然警察が当たり逮捕し裁判所が刑に服させる。ところが戦争犯罪、集団の犯罪は訴える方法も裁く裁判所も無い。第二次大戦の東京やニュルンベルグ裁判では、戦勝国が勝手に裁いて良いものかという非難や反省があった。だからといって8000人もの男性が民族浄化の名目で無意味に殺されて良いものか?

   カルラはアメリカへ飛び、外交委員のトム・ラントス議員に会い、国連安保理事会でも訴える。しかし反応は鈍い。大体が、当事国セルビアが腰を上げて逮捕に積極的にならないのだ。国連ではセルビアを動かすように各国協調してプレッシャーをかけようという間接的訴えだ。だから迫力にも欠ける。画面には成果が上がらぬカルラとそのスタッフの苛立ちが見てとれる。日本は2007年10月1日に、ようやく105番目の加盟国としてICC(国際刑事裁判所)に加盟したが、アメリカやロシア、中国の他、紛争国のイスラエルなどが加盟していないのでかなり実行性が問われる。

   映画は2005年の7月から、同年12月15日の国連安保理事会でのカルラの演説までを追う。その間に大した成果が無く、07年9月に任期の切れるカルラは苛立ちながらも諦めの言葉も口にする。何よりも胸を打たれるのは、スレブレニッツァで夫を殺された寡婦へのインタビューだ。最愛の人を殺した犯人を何としてでも捕らえ裁いて欲しいと。

コメント
前の記事 :「スター・チャンネルBS」がハイビジョン化 2日間無料
次の記事 :「泰葉離婚」細木予言通り!? 「いっ平」口撃されっ放し

カテゴリ内最新記事
「その名にちなんで」
金髪彼女の何が悪い? 移民親子の物語:2007/12/14

「アイ・アム・レジェンド」
地球一人ぼっちのウィル・スミス 「寂しくない」ワケは?:2007/12/13

「魍魎の匣」
「京極原作」読んでても楽しめる! 原田眞人監督「復活」の娯楽作:2007/12/12

「ユゴ 大統領有故」
韓国映画の底力 大統領暗殺の全貌:2007/12/11

「カンナさん大成功です!」日本漫画を韓国が映画化 「体重半分」美女の恋の行方は?:2007/12/10



WWW J-CAST内
powered by goo


友達に教える
このページのURL
個人情報保護方針
お問い合わせ
テレビウォッチ
ニュース
モノウォッチ
J-CASTモバイル
ページの先頭へ戻る


(c)J-CAST