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「マリア」
17歳になった「天才」子役 「聖母」どう演じたか

【 365日映画コラム 】
07/11/30 コメントを見る・書く(1)
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   キリストの受難を描いた「パッション」(2004)の世界的な大ヒットを受けて、聖書ものが続々と登場するかと思ったら、目ぼしいのはこの「マリア」くらいだ。原題の「THE NATIVITY STORY」は「キリスト降誕物語」という意味。昨年外国で見た映画で、ようやく日本にやって来た。

(C) MMVI NEW LINE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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   ストーリーは誰でも知っている通り。ローマの支配下、ユダヤ王ヘロデ(C・ハインズ)の圧制。マリア(K・キャッスル=ヒューズ)の村も例外では無く、高い税金の苛酷な取立て。税が払えないと娘やロバを奪って行く。父母の決めた結婚だが夫のヨセフ(O・アイザック)はマリアに気を使う優しい男。天使ガブリエル(A・シディグ)が半透明で現れるところで神話的になるが、それ以外はまるで実況中継のような臨場感に溢れた歴史劇だ。キリスト教と無縁の者に最大の障壁となるのは、マリアに精霊(ホーリー・スピリット)が宿る「処女懐胎」を信じられるかだが、天使が告知することであっさり逃げてしまう。未だセックスもしていない妻が妊娠するとは、通例なら倫理観厚い村人たちが石でマリアをうち殺すところだが、夫ヨセフの夢にも天使ガブリエルが現れて納得させる。聖書物語は狂言回しに天使が現れて進行を促すからすんなり行くよね。

   住んでいるナザレから200キロも離れたベツレヘムへ、臨月のマリアを連れて困難な旅、まともな宿が見つからず馬小屋での出産。星に導かれてやって来る東方の三賢者や、ヘロデ王の命令で2歳以下の男の子を皆殺しにする屈強な兵隊たちの、誰でも知っているストーリーが展開する。だからこそドラマ的な盛り上がりが乏しい。聖書ものにある「奇跡」が無いせいかも知れない。唯一の奇跡は、神の啓示を疑ったザカリア(S・タウンゼント)が突然言葉を失い、老齢のその妻エリサベト(S・アグダシュルー)が懐妊することだろう。この子供は映画には出て来ないが後にバプテスマのヨハネとなりイエスに洗礼を授けることになる。

   マリア役のケイシャ・キャッスル=ヒューズはニュージーランド映画「クジラの島の少女」に12歳で主演して、アカデミー主演女優賞候補になった。未だ17歳の少女だ。聖母マリアというよりは頑固な小娘の演技をしている。夫役のオスカー・アイザックが良い。グアテラマ生まれで、ラテン系特有の彫りの深い容貌。人の良いヨセフを演じる。キャサリン・ハードウィック監督はUCLA映画科卒。03年インディで撮った「サーティーンあの頃欲しかった愛のこと」で注目された。女性らしい繊細なタッチでそつ無く全体を纏めている。


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