2024年 4月 20日 (土)

情報通信産業

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

展望

光ファイバー網敷設進むのか

NTT東日本は光ファイバーで企業、家庭に高速インターネット通信を提供する
NTT東日本は光ファイバーで企業、家庭に高速インターネット通信を提供する

DSL、光ファイバー、CATVによる高速インターネットアクセスが可 能な世帯は現在1600万世帯を超えた。普及率では韓国に負けるが、高速アク セス、料金水準のなどで、日本のブロードバンド市場は世界トップレベルに ある。

電電公社時代、通信回線のデータ通信への利用は公社に独占され、民間の 自由利用が制約されていた。このため日本のデータ通信は1980年代まで大き く遅れ、産業界から批判の声があがった。電電民営化後は自由になったもの の、NTTの通信設備のアンバンドル政策が遅れ、加入者回線のDSL利用 は韓国に比べても遅れていた。しかし、1999年加入者回線のアンバンドル、 通信機能の要素ごとに卸売りできる制度が決まり、多くのDSL事業者が高 速インターネットアクセスサービスに参入した。特に、ソフトバンクグルー プが超低料金でDSLサービスを開始したのが引き金になって普及に拍車が かかり、サービスの高速化も進展した。

NTTはDSLサービスでソフトバンクにトップシェアを奪われ、二位に甘 んじている。このため光ファイバーによるブロードバンドサービスに力点を置 き、2004年10月では光加入者は160万加入にのぼっている。ただ、NTTが敷 設する光ファイバーは他事業者に開放する義務が課され、KDDIはこの光フ ァイバーを借りてブロードバンドサービスを展開している。このためNTTは 投資インセンティブがわかないと不満を募らせている。

IP電話で新たな値下げ競争

販売店に並ぶさまざまな携帯電話
販売店に並ぶさまざまな携帯電話

NTTは2004年3月期の連結決算で過去最高の経常利益をあげたが、そのほ とんどはドコモの稼ぎで、地域会社、長距離会社の収益力は伸び悩んだ。リス トラによる合理化効果が消えたら、各社の収益が悪化するのは避けられない。

ライバルのソフトバンク、KDDIとも2004年末からドライカッパーを利用 した、市内市外一通の電話事業に参入を表明しており、基本料金の引き下げで NTTからの顧客獲得を目指している。対抗上NTTも2005年1月からの基本 料金引き下げを表明、収益力はさらに悪化することが予想される。  さらにブロードバンド環境を利用したIP電話が普及すれば、電話料金収入 は一層打撃を受けるのは確実である。  対抗策としてNTTは光ファイバーによる双方向、高速サービスを利用した RENA構想を打ち出している。固定電話のネットワークからIPネットワー クへの移行は新たな挑戦であるが、NTTに課されたユニバーサルサービスを 維持しつつ、IP化へ移行することは、時間との戦いともなっている。

第三世代登場で携帯新サービス

携帯電話がインターネットアクセスの有力手段になっているが、世界に先駆 けてWCDMA、CDMA20001Xなど第三世代携帯サービスも始まり、テレ ビ電話、高速データ通信に利用され始めた。携帯に決済機能が組み込まれ、財 布代わりに利用したり、テレビ放送を携帯で受信したりするサービスも始まっ ている。携帯電話がユビキタス時代にも有力な情報端末となる可能性が出てき た。

携帯電話はNTTドコモ、KDDIグループのau、ボーダフォンの3社 に集約されたが 2004年9月、ソフトバンクグループが800メガヘルツ帯で 新規参入を表明、2ギガヘルツ帯でもTDCDMA技術を利用した携帯電話で 新規参入の動きがある。  携帯電話加入者はすでに8000万を超え、新規加入は頭打ちの状態。ここに ソフトバンクグループが参入したら、既存各社からシェアを奪うための価格 競争を仕掛けるのではないか、との見方が有力だ。

1 2 3
姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中