コマーシャルバン トヨタ、日産2強が激突
コマーシャルバン(乗用車タイプのバン)市場の2強対決が再燃しはじめた。日産自動車がフルモデルチェンジした新型「AD/ADエキスパート」を2007年1月から発売し、販売シェアトップのトヨタ「プロボックス/サクシード」に戦いを挑んだのである。
コマーシャルバンというと聞きなれないかもしれないが、概ね4ナンバーを付けた2BOXタイプの商用車で、ライトバンやボンネットバン、ビジネスバンなどとも呼ばれている。工具や商品を積んで現場まで出掛ける仕事に使われているほか、大手企業などが営業用に使っているケースも多い。
00年から02年までは日産がトップ
日産は新型「ADエキスパート」を発売、トヨタとの2強対決へ
バブル経済成長期の最後の1990年に国内で22車種のコマーシャルバンが販売され、年間27万台を超える市場があった。だがバブル経済崩壊後は企業のコスト削減のあおりを受けて市場規模が急速に縮小し、02年以降は11万台で推移している。04年以降は販売車種が7車種のみとなり、07年は10万5千台程度に減少するとの予測もある。
現在販売されている7車種は、トヨタのプロボックス/サクシード、日産のADと「エキスパート」、マツダ「ファミリアバン」、三菱「ランサーカーゴ」、ホンダ「パートナー」。ところが自社で開発・生産しているのはトヨタと日産、ホンダ、三菱の4社。マツダは日産からOEM供給を受けている。
市場の90%はプロボックス/サクシードとADの3車種が握るが、ビジネス専用車として開発されたのはプロボックス/サクシードだけで、他車はステーションワゴンをベースにした車だ。02年に発売されたプロボックス/サクシードは、プロボックスがカローラバンの、サクシードがカルディナバンの後継車という位置付けにある。
販売競争でのトップ争いは、かつてはカローラバン対AD。それが02年以降はプロボックス対ADに変わったが、この2車種で市場の70%以上を占める。00年から02年まではADが環境規制にいち早く対応して販売トップの座にあった。日産がトヨタに勝ったのはこの3年間だけだ。