2024年 4月 23日 (火)

TBS・楽天の勝敗 スティールの「判例」が影響

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   楽天TBSの株式を20%超を取得すると通告し、TBSは楽天に対する防衛策発動の是非を企業価値評価特別委員会(委員長・北村正任毎日新聞社社長)に諮問、特別委は2007年9月12日までに結論を出すべく関係者からの聴取を進めている。結論が「ゴー」となれば、TBSは臨時株主総会を開いて防衛策発動を諮る構えだ。そうなった時には、楽天が防衛策発動の差し止めを裁判所に求める可能性が高い。

   この場合に「判例」として大きな影響を与えるのが、米系投資ファンド「スティール・パートナーズ」がブルドックソースに対して買収防衛策発動の差し止めを求めた仮処分申請での東京地裁と東京高裁の決定だ。両裁判所は相次いでスティールの申請を退けている。だが、その理由には違いがあり、どちらが「判例」とされるかに、楽天とTBSの社会的評判がかかっている。

地裁「株主総会の特別議決」、高裁「スティールは乱用的買収者」

TBSの買収防衛策の是非には、スティールの「判例」が影響しそうだ
TBSの買収防衛策の是非には、スティールの「判例」が影響しそうだ

   ブルドックの買収防衛策は、全株主に新株予約権を無償で割り当てるが、スティールにだけは予約権を行使できない条項を付けて、持ち株比率を下げるというものだ。スティールには株の代わりに現金を渡して、経済価値を損なわないようにする。この防衛策の発動は、株主総会で出席議決権の3分の2以上の賛成による特別決議で承認された。

   防衛策発動の差し止め裁判でスティール側は、買い集めた株を高値で買い取らせて利ざやを稼ぐ「グリーンメーラー」ではないと主張し、ブルドックの株主総会決議は「著しく不公正で、多数決の乱用だ」として差し止めを求めていた。

   地裁と高裁は、ともに防衛策発動の「必要性」と「相当性」を検討し、ブルドック側の主張を認めたが、その理屈は、地裁と高裁ではかなり異なる。

   地裁は「現経営陣と敵対的買収者のいずれに経営を委ねるべきかの判断は、株主によってなされるべき」ことを前提とした上で、防衛策の発動が少なくとも株主総会の特別決議(3分の2の賛成)に基づくものであり、敵対的買収者に「適正な対価」が払われているときは、許容されるとした。

   一方、高裁は、スティールの投資ファンドとしての行動を分析し、「さまざまな策を弄して専ら短中期的に対象会社の株式を対象会社自身や第三者に転売し、最終的には対象会社の資産処分まで視野に入れて、ひたすらに自らの利益のみを追求しようとしている乱用的買収者」であるとして、スティールは「グリーンメーラー」だと認定し、スティールの主張を一蹴した。

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