2024年 4月 26日 (金)

ヒラリーの「胸の谷間」 米大統領選からんで熱い論争 

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「女性の体に焦点あてるのは侮辱的だ」

   これに対し、ポスト紙には数千の「怒った」手紙や電話が寄せられた。7月29日にポスト紙の「オンブズマン」デボラ・ハウウェルさんが記事の中で紹介した。「怒り」の例として「記事は女性と、演説される重要な問題の両方の品位を下げるものだ」という指摘を挙げている。もっとも、デボラさんは、基本的に記事を擁護する立場で「私たちは、胸の谷間のコラムを読みたいと思うか、思う。ウェブサイトでは1日中で最も多く見られた記事だった」と指摘した。

   また、ヒラリー陣営では、7月27日、陣営幹部のアン・ルイスさんが資金集めの電子メールで反論を展開し、支持者らに送った。J-CASTニュースもメールを取り寄せ読んでみると、「ワシントン・ポストが746ワードもヒラリーの胸の谷間について記事を書いたなんて信じられますか?」と冒頭で指摘していた。「体の部分について語るなんてひどく不適切(inappropriate)」「演説の中身でなく、女性の体に焦点をあてるのは侮辱的だ(insulting)」と反発している。

   「胸の谷間」についてなにか規定や基準はあるのか、日本の衆参両院の事務局に聞いた。それぞれ規則があり、「品位を重んじなければならない」「帽子や外套などを着用してはならない」などとある。また、議院運営委員会がそれぞれ1950年から51年にかけ、「上衣着用」を申し合わせている。クールビズ導入に伴い、衆院では05年に「本会議場を除く院内では上着とネクタイなしでも可、本会議場では上着とネクタイは着用」と申し合わせ、女性は「それに準ずる」服装を求められている。参院には、ネクタイに関する取り決めはないという。過去には、1991年に社会党(当時)の女性衆院議員がベレー帽をかぶって議場に入り、注意を受け断念したこともあった。地方議会では、Gパンや覆面が話題になったこともある。

   両院事務局に「女性議員が胸が開いた服を着て本会議で演説するとどうなるか」と質問すると、ともに「規則の品位を重んじなければ、という項目に照らして問題視する議員が、議院運営委員会での話し合いを要求する可能性が高いのではないか」と予想した。

   服装を巡る問題が起きた場合、話し合うのは議院運営委員会だ。衆院議院運営委員会の逢沢一郎委員長の国会事務所は「公務多忙で回答できない」と答えた。また、防衛相の小池百合子さんの事務所は「公務で多忙なため、回答する時間が割けなかった」。内閣府特命担当大臣(少子化問題など担当)の高市早苗さんの事務所は「公務で忙しく今回は回答できない」。民主党の蓮舫参院議員の事務所からは、回答は寄せられなかった。

   日本ではまだ「胸の谷間」はタブーな話題のようだ。

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