2024年 4月 19日 (金)

農水省が「油減量作戦」 ダイエットではない「その目的」

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大人のための「食の検定」も始まる

   熊本県上天草市立の上小学校、松本珠美・栄養教諭(31)も「大人たちにこそ食育が必要」と考えている。同校では、松本教諭やPTAの母親たちが食育に取り組む「おしゃもじクラブ」を04年に始めた。月に1回、地区ごとに母親たちが集り、子供たちの給食メニューを考える。05年度には農水省の食育コンクールで「優勝」した。
松本教諭によると、多くの母親たちが07年2月のアンケートで、「家庭でも食材の採れた場所や旬の時期に気を配るようになった」「子供に食材を楽しく説明できるようになった」と肯定的な「変化」を報告した。教諭は「単なる栄養学の知識とは違います。大人が楽しく食育を学べば、楽しい食卓と家族の健康につながるようです」と話す。

   もっと気軽に「大人のための食育」に触れてもらおうという動きもある。食の検定協会(東京)は07年から「食の検定・食農3級」の試験を始めた。11月25日に東京や大阪など全国10都市で2回目の検定試験がある。身近な農作物の説明や安全な食品選び、伝統的食文化などについて公式テキストを使って学ぶことができる形にした。
協会の内田啓祐代表理事(45)は、商社勤務時代にアフリカやアジア、米国の農業現場を実体験し、日本の現状に危機感を持った。農業の衰退は国土の荒廃や健康な食生活に密接につながることを学んだが、そのつながりは「見えにくい」ことが気がかりだった。そこで農業現場と消費者をつなぐ「橋」として食育に注目した。内田代表は「『へえ、そうなんだ』という驚き感、楽しさを大事にしたい。関心を持てば『見えてくる』ことがあります」と検定の狙いを話す。

   油減量について、J-CASTニュースが内田代表に意見を聞くと、食育の「守備範囲」にあたり、日本人の体に合う食べ物を考える延長線上にある話だという。「欧米で人気のある油が日本人には体質的に消化しづらい、ということもあるんですよ」。こうした知識が油を摂る量を控えることにもつながると見ている。もっとも「油だけでなく、様々な食材について知ってほしい」そうだ。

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