2024年 4月 16日 (火)

ジャスダックと大証の統合 すんなり決着しない?

   日本証券業協会が7割超の株式を保有する新興企業向け株式市場、ジャスダック証券取引所の具体的な再編協議が動き出した。2007年末の日証協の特別委員会で、ジャスダックの株式を大阪証券取引所に売却する方向で協議を始めることが決まったのだ。ただジャスダック側の反発はいまだに強く、強引ともとれる日証協の議論の進め方には批判も少なくない。最終決着までには波乱もありそうだ。

大証とジャスダックのシステム一本化が条件

東証は日証協の統合案を拒否した
東証は日証協の統合案を拒否した

   日証協は、ジャスダックの今後のあり方を協議するため、07年10月に特別委を設置、1.ジャスダックの独立維持 2.東京証券取引所との統合 3.大証との統合 4.東証、大証を含む3市場の統合――の4案を選択肢とし、07年内にいずれかの案に絞り込んだうえで、年明けから交渉を始めたいとの考えを示していた。

   これを受け、東証は独自にジャスダックの資産査定を実施、「統合効果は低い」と判断し、日証協の統合案を拒否した。一方、大証はジャスダック買収に強い意欲を示し、日証協の安東俊夫会長は大証との統合の方向で調整を進めたいとの意向を固め、同12月27日の特別委で委員の意見を調整。「委員会の総意」として、大証と保有株売却の交渉を始めることで合意を取り付けた。

   大証の米田道生社長は、特別委の決定に「協力するのは当然」として、前向きに検討する考えを示した。しかし、「システム費用を最小化することが市場の効率化を進めるうえで重要だ」とも述べ、大証とジャスダックのシステム一本化という条件をつけた

   他方、ジャスダックは現在、独自システムの開発準備を進めており、大証との間で調整がつくかは不透明だ。特別委開催の2日前の12月25 日、ジャスダックの筒井高志社長は記者会見で、「自立した強い新興市場を作るため、我々に精いっぱいの努力をさせてほしい」と呼びかけ、あくまで単独経営を目指す姿勢をアピールした。そんなジャスダックが大証にもつアレルギーは少なくないとみられている。統合となればジャスダックのリストラも不可避とされるため、従業員の不満もあるはずだ。

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