2019年 11月 20日 (水)

「ひぐらしのなく頃に」が殺人事件を引き起こしたのか?
――東京大学特任講師・吉田正高氏に聞く

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アニメや漫画は「現実社会の鏡」だ

――京都や八戸の事件のとき、「罪と罰」を販売禁止しろという声は聞かなかったと思いますが、アニメや漫画だと小説よりも簡単に規制の対象になってしまうのでしょうか?

吉田 近年では「アニメは世界に誇れる日本の文化だから振興しよう」という方針が政府などからもたびたび発表されていますが、やっぱりアニメとか漫画とかいうものは、小説や実写映画に比べると、まだ一段低く見られているんでしょうね。もちろん、ゲームやアニメとかのコンテンツは昔から規制にさらされて生きているものなので、いろいろ規制がかかってくるというのは分からないでもない。ただ、それが「いわれのない規制」になってしまってはよくない。短絡的に事件とアニメを結びつけるのではなく、慎重に考えないといけない問題だと思います。

――国民的なアニメといわれた手塚治虫さんの「鉄腕アトム」も規制とは無縁でなかったそうですね。

吉田 漫画やアニメやゲームなどの大衆文化に属するコンテンツは「現実社会の鏡」みたいなところがあって、我々のような一般人が持っている不安とか恐怖というものが即効的に出てくるものだと思います。エンターテインメントだから、エラぶって高尚なこところから作らないじゃないですか。

   エンターテインメントとして楽しませながら、その裏で、いま起きていることの社会性とか矛盾を人々に見せていく。そういう使命を果たしているコンテンツの一つだと思いますよ、「ひぐらし」は。さらにいえば、今後コンテンツの歴史が教科書的にきちんと包括的にまとめられていく際には、「ひぐらしのなく頃に」という作品は、ある種のメルクマールとして評価されるでしょうね。

【吉田正高氏プロフィール】
1969年、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、同大学院文学研究科博士後期課程を修了。東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学産学連携教育プログラムの特任助手を務めた後、現在は、同プログラムの特任講師として「コンテンツ文化史」の講義を担当している。これまで主に、江戸・東京を中心とした都市文化と地域社会に関する研究や、戦後の国内コンテンツを文化史の視点から包括的に考察する研究に従事してきた。

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