2024年 4月 30日 (火)

日銀総裁ポスト「空席」確定 福田政権「脳死状態」なのか

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   混迷が続いている日銀総裁人事だが、2回目に政府が提示した人事案を再び参議院が「不同意」し、総裁ポストが空席となることが確定した。党内からは、この前代未聞の事態に「首相に傷が付いた」という声もあがっている。しかし、マスコミの認識は「傷」どころではなく、複数のマスコミが福田政権を「脳死状態」と表現。「危篤状態」と書く夕刊紙もあり、福田内閣は危機的だという見方が広がっている。

週刊誌2誌の特集見出しが、偶然「脳死状態」

福田首相への論調が厳しくなっている
福田首相への論調が厳しくなっている

   2008年3月19日午後に開かれた参院本会議で、政府が提示した田波耕治・国際協力銀行総裁の日銀総裁人事を民主党などの反対多数で「不同意」とした。「不同意」は 武藤敏郎副総裁の昇格案に続いて2度目だ。この結果、福井俊彦総裁の任期切れである3月19日までに新総裁が決まらなかったため、総裁のポストが戦後初めて空席になるという異例の事態を迎えた。

   このような状況について、自民党の加藤紘一元幹事長は

「(不同意が)2度目になり、(首相に)傷が付いた。次の段階は、十分準備して臨んで欲しい」

と述べ、ただでさえ求心力の低下が指摘されている福田首相が「泣きっ面に蜂」の状態だという認識を示した。

   だが、週刊誌などの認識は「傷が付いた」などという生やさしいものではないようで、首都圏で08年3月19日に発売された週刊誌2誌に、偶然にも「脳死状態」という見出しが並んだ。

   週刊新潮が掲げた見出しは、「もはや『脳死状態』という福田内閣 『総辞職』のタイミング」。3月16日に、政局が緊迫しているのにもかわらず、福田首相がオペラ鑑賞に出かけていたことを

「休日とはいえ、のんびりオペラ鑑賞とは首相の見識が問われるのではないか」

と批判。さらに、福田政権の求心力の一因は「伊吹-町村ライン」にあると指摘。国対レベルで進めようとしていた自民・民主レベルでの交渉を伊吹幹事長がぶち壊した、などと指摘したほか、自民党関係者の

「官房長官が首相の腹の内をほとんど知らされていないというのは有名な話」

という話を伝えている。同誌では、

「もはや福田政権の命運は、いつ『生命維持装置』を外すかにかかっている」

と、現状は「脳死状態」だと指摘。焦点は4月の内閣改造としながらも、福田首相が、小泉政権の官房長官を年金未納問題で突然辞任した「前科」を例に引きながら、政権を投げ出す可能性も示唆している。

夕刊フジは「福田内閣 危篤状態」

   一方の週刊文春は、「福田政権『脳死状態』で ニッポンは全身マヒ」という見出しを掲げた。同誌では、福田首相がイージス艦衝突事故で行方不明になった男性の親族宅に「電撃訪問」したのは、石破防衛大臣の辞任を回避するための「政治利用」だったのではないかなどと指摘。さらに、自民党内からも異論が出ているとして、

「首相の周囲でサポートする人がいないのではないか」(後藤田正純衆院議員)
「(毒ギョーザ問題などの日中問題について)政治的に強いメッセージを中国に対して出してほしかった」(水野賢一衆院議員)
「福田内閣には広報の体制がない」(世耕弘成衆院議員)

といった声を紹介している。

   さらに、参院での2度目の不同意が決まってからは、夕刊紙の見出しも過激化。

「痴呆に近い、この国の首相」(日刊ゲンダイ)
「福田内閣 危篤状態」(夕刊フジ)

などと批判をエスカレートさせている。

   もっとも、2月19日午前の段階で、民主党の山岡賢次国会対策委員長は

「副総裁は2人決まる。そのうち1人を総裁代行にしてもいいし、総裁にしてもいい」

と述べ、すでに副総裁就任の国会同意が得られている白川方明・京大教授を改めて総裁候補として提示した際には、容認する可能性を示唆した。

   それでも、福田政権がピンチであることには変わりがない。

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