事件が起きると「荒れる」ことも多いウェブ上の百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」だが、人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の主演声優の項目が荒らされた。項目が「死ね」という言葉で埋め尽くされるという異常な荒らされ方で、ネット上は「これはひどい」「こわい」と言った声が相次いでいる。荒らされたのは声優平野綾さんの項目「死ね」の羅列に「怖い」との声が相次いでいるウィキペディアは誰でも編集できるため、不正確な内容が記載され、トラブルに発展することも少なくない。例えば、J-CASTニュースでも2006年11月に「ウィキペディア編集方針西和彦がモーレツ批判」という記事で報じたように、アスキー創業者の西和彦氏が、自らについて書かれた内容に反発、ウィキペディアユーザーとバトルを繰り広げた。アルファブロガーとして知られる経済学者の池田信夫氏も06年12月、ブログに「2ちゃんねる化するウィキペディア」というタイトルの記事を書き、ウィキペディアの質の低さを指摘した。それ以外にも、事件が報道されると、関連項目を編集しようとするユーザーが殺到する「編集合戦」で「荒れる」という事態も、しばしば発生する。このようにウィキペディアが「荒れる」ということ自体は珍しくないが、「異様な荒れ方」をしたページが、ちょっとした話題になっているのだ。荒らされたのは、人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」で涼宮ハルヒを演じた、声優の平野綾さんの項目。平野さんの経歴や、出演作品が列挙されるという、ウィキペディアの項目としては、いたって普通の内容だ。異変が起こったのは08年2月15日。歌がヒットしたことを紹介した文面に、突然「死ね死ね死ね」と大量に書き込まれたのだ。「死ね」の回数を数えてみたところ、6万7000以上。これだけでも非常に恐ろしい印象をユーザーに与えるが、書き込まれている文字数があまりにも多いため、ブラウザが重くなるという現象も発生。J-CASTニュース編集部のPCでも、数十秒にわたってブラウザが固まるという状況に陥った。「本当に怖かった」「これはひどい」「荒らし」の書き込み自体は、書き込みのわずか3分後に削除されたが、変更履歴は残るため、わざわざ変更履歴を見るネットユーザーもおり、「本当に怖かった」「これはひどい」「書いてある内容は知ってたのにゾクッ!と来た」といった声もあがった。情報サイト「にゅーあきばどっとこむ」でも、この話題を取り上げ、「執念を感じる恐ろしさがあった」と評した上で、アクセスするとブラウザが重くなることにふれ、「できれば見ない方がいいだろう」と忠告している。現在は、平野さんの項目はユーザー登録しないと書き込みができない「半保護」という設定になっている。
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