2018年 7月 20日 (金)

どうなるアデランス スティールがMBOを要求?

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   2008年5月の提示株主総会で取締役の再任案すべてが否決され、暫定的な経営体制を余儀なくされていたアデランスホールディングスが6月末、新しい経営体制を発表した。岡本孝善社長は退き、アデランスの子会社、フォンテーヌの早川清社長が新社長に就任する。また、取締役再任案を否決に追い込んだ筆頭株主の米系投資ファンド、スティール・パートナーズから、社外取締役を受け入れることも盛り込んだ。スティールへの譲歩という色彩が強い。

「取引先や従業員の間には動揺が広がっていた」

   アデランスは定時株主総会で、計9人の取締役選任を提案した。しかし、2人の新任を除き、岡本社長ら7人の再任案はいずれも否決された。スティールが主導し、大株主の米投資顧問ドッチ・アンド・コックスなど多数の株主が反対したためだ。

   アデランスが今回まとめた案は、岡本社長のほか、創業者で最高顧問の根本信男、大北春男の両氏が取締役を退くものだ。代わりに、早川氏のほか、スティールのマネージングメンバー、ジョシュア・シェクター氏、スティールが推薦した元三菱商事副社長の相原宏徳氏の3人を社外取締役として提案している。

   スティールが米国本体から、投資先の日本企業に取締役を派遣するのは初めてだ。スティールのウォレン・リヒテンシュタイン代表は新経営体制について、「アデランスの重要な決定を歓迎し、支持する」とのコメントを発表し、「勝利宣言」ともいえるような受け止めぶりを見せた。

   一方、アデランス側は複雑な心境を隠せない。岡本社長は会見で、「企業価値の毀損を最小限にしたい」と厳しい表情で述べ、スティール側に譲歩してでも、早急に体制を整備せざるを得なかった事情をうかがわせた。ほぼ1か月間にわたり、暫定的な経営体制を構えなければならなかったアデランスだが、「取引先や従業員の間には動揺が広がっていた」(関係者)という。5月の株主総会直後から、「取締役の選任に時間がかかれば、アデランスの企業価値は下がるだろう」との見方は市場でも広まっていた。

社外取締役を送り込んだだけで満足しているはずがない

   ようやく不安定な経営体制は解消したが、アデランスにとって平穏な日々が待っているわけではない。スティールのシェクター氏は、アデランスの取締役会に経営戦略などを提案する「特別委員会」のメンバーとなる見通しだが、スティールの意向が今後、アデランスの経営に影響を与える可能性は強い。

   そもそも、スティールは既に2年も前から、アデランスにMBO(経営陣による自社買収)などによる株式の非公開化を求めているという。「スティールが社外取締役を送り込んだだけで満足しているはずがない。今後、さらに攻勢をかけるつもりではないか」(市場関係者)との見方は強まっている。

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