2024年 4月 27日 (土)

大学生から小学生まで 「ネットでコピペ病」蔓延

人気店や企業から非公開の招待状をもらおう!レポハピ会員登録

「大事なのは、学生への教育」

   モラル低下が指摘される中で、コピペ発見ソフトの開発者も現れた。

   金沢工大知的財産科学研究センター長の杉光一成教授は、このソフトを開発中で、2008年2月に特許を申請した。学生のレポートを翻訳ソフトの技術で文節や単語に分解し、ネット検索で類似した文章があれば、そのURLを表示する仕組みだ。ソフトでは、学生間のコピペも検出できるという。ソフトウエア会社から09年中に市販する予定。06年に学生2人のレポートがブログからのコピペと分かり、それを防ごうと開発を思いついた。

「教育現場では、困っていると言いづらかったので、ニーズが顕在化していませんでした。しかし、2ちゃんねるで、ソフト開発に対し『日本全体の学生を敵に回した』とスレッドが次々に立ったように、それだけコピペが蔓延しているということです」

   発見ソフトでは、米国最大手のアイパラダイムス社が開発した「turn it in」が、08年秋にも日本語サービスを始めるとも報じられている。

   蔓延するコピペに、発見ソフトは決定打になるのか。

   杉光教授は、「少なくとも安直にコピーする人がいなくなるのでは。それだけでも進歩」と話す。ただ、「大事なのは、学生への教育」という。

   前出の江頭教授は、コピペ発覚からレポートを止め、研究発表や討論、試験などに切り替えた。また、学生を図書館に連れて行って、参考資料の調べ方などを教えたという。「学生も自分で考えるようになり、卒論を書く研究手法を確立できるようになりました」。

   発見ソフトは、「使わないかもしれません」としながらも、「学生を教育する一つの方法だと思います」と理解を示す。

   金沢工大の杉光教授は、「専門家ならソフトがなくても見破るべきというのは、見当外れ。他人の言葉を持ってくることを正当化できるわけもなく、コピペは悪いと教え、自分で考えるように指導することも必要でしょう」と話している。

1 2
姉妹サイト
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中