2024年 4月 30日 (火)

サブプライムの傷深く 日本の証券会社経営不振が深刻

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投信販売にFX、新たな収益源も低調

   証券最大手の野村HDでも苦戦するほどだから、経営規模の小さな地場証券の収益状況は推して知るべしだ。証券業界はインターネット証券の登場で、株式売買手数料の引き下げ、あるいは無料化を競ったことによって、売買手数料で稼ぐことがむずかしくなってきた。代わって、投資信託や外国為替証拠金取引(FX)といった新たな金融商品を取り扱い、株式の売買以外の手数料を厚くしようと目論んだ。

   ところが、株式市場の悪化に伴い個人投資家の投信離れが進み、当てがはずれた。自己売買も低調だし、株式売買手数料は今後さらに尻すぼみになると予想されるが、大手証券はまだ法人取引のウエートが大きい。ブローキング(株式売買)業務の不振を補う、企業のIPOやM&Aのコンサルタントフィーなどが見込める。一方、地場の中小証券はそういったブローキング業務以外の、新たな収益源が見つからない。そればかりか、利便性で勝るネット証券に個人投資家を奪われるケースも少なくない。「逆風」は大手以上だ。

   いまや個人の株式売買代金のうち約75%が、ネット証券大手が占めるようになった。投資家との対面取引のウエートがいまだに高い地場証券は、情報収集だけ利用されて、実際の取引はネット証券を利用するという、「使い分け」に悩まされている。

   それもあって、「ディーリングの成り行きによって、その証券会社の体力が決まってしまうくらいになっている」(中堅証券会社の関係者)と、収益構造の偏りが大きくなっているという。

   インターネット証券が注力するFXの取り扱いを「後追い」して、新たな個人投資家を取り込もうとするが、これもうまくいかないようで、「(投資家が)増えているという感じではありません」(ある地場証券)とさえない。

   「いまは株式市場の混乱で、ディーリングはまったくの不振といっていいほど」と、ある証券関係者。地場証券は稼ぐ術がなくなっている。

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