2018年 7月 22日 (日)

中国ではまだ社名は「松下電器」 「パナソニック」では売れない?

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   2008年10月1日から松下電器は、「Panasonic」に社名と製品ブランドを変更したが、日本のお隣である中国では、1日前後の新聞雑誌を見ても、ほとんどそれに言及する記事はなく、社名はまだ「松下電器」になっている。量販家電の店頭でも、「松下電器」と「Panasonic」との関係を明確にしていない。現場は少々混乱しているようだ。

製品のブランドはPanasonic、社名に変化なし

   松下電器のネーム・バリューは、ソニーや韓国・サムスンなどと比べると、高くないと日本ではいわれているが、中国では話はまったく別。30年前の1978年、トウ小平副総理(当時)は改革開放の大号令をかける前に、松下電器を訪れ、ぜひ中国でもテレビ工場を一つ作ってもらいたいと松下幸之助社長(当時)に強く要望した。08年、新たな改革開放に踏み出したいと思っている胡錦濤国家主席も訪日の際、わざわざ同社の大阪本社を訪れた。「松下」と言えば、欧米電機メーカーはもちろん、他の日本、韓国メーカーよりずっと響きが強い。

   他社が絶対に持てないこの「松下」というネーム・バリューを、簡単に捨てるのだろうか。松下電器(中国)有限公司広報部は、J-CASTニュースの取材に対し、

「中国でも製品のブランドはPanasonicを使います。社名については工商局に問い合わせていただきたいと思います」

と答えた。

   北京の工商局に問い合わせたら、松下電器(中国)有限公司の英訳には、Panasonicという英語を入れたが、中国語の表記には一切変更はないという。

英語名では中国ではなかなか売れない

   どこでもCanonと表記してきたキヤノン社の製品は、中国ではなかなかスムーズに売れなかった。数年前に、中国での販売を担当する幹部社員は、ひそかにその原因を調べた。英語表記の「Canon」は、なかなか消費者に印象を与えないし、覚えてもらえないという結果が出た。それがわかると、同社は急いで中国語の表記である「佳能」を広告などにつけた。「その中国語表記がないと、とてもここの消費者に買ってもらいない」とその幹部社員はJ-CASTに明かした。同じく、ソニー(Sony)は、中国での広告などには必ず中国語表記である「索尼」をつけている。

   30年間の努力がやっと結実した「松下」は、商標変更によってわざわざネーム・バリューを捨てるわけにはいかない。しかも、「Panasonicを全部中国語の当て字にすると、長すぎるので、それもよくない」と松下電器(中国)の広報部員は悩む。

   北京の家電量販店に「Panasonic」について消費者に感想を聞いたら、「それは松下電器がアメリカ企業の代わりに作ったものだ」と答える人もいれば、「純正の松下製品より少々ランクの低いものだ」と答える人もいた。

   全世界で社名、ブランドを変更したPanasonicは、中国では「松下電器」を捨てられないのだ。そもそも商標変更の広報も大規模に行われないため、現場や販売店での困惑、混乱がしばらく続くかもしれない。

(J-CAST北京)

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