仮想世界で起きた「離婚殺人」 「内助の功」無視された「怒り」の中身

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   インターネットのオンラインゲームで、一方的にゲーム内の「夫」から「離婚」させられた40代の女性が腹を立て、その元「夫」のゲームキャラクターを無断で消去した。この行為が、不正アクセス法違反に問われて女性が逮捕される事件が起きた。オンラインゲームという仮想世界でうごめく「嫉妬」と「愛情」とはいったいどんなものだったのか。

ゲーム内で一夫一婦制での結婚ができる

   事件の舞台になったゲームは、200万人以上ものユーザーがいるネクソンジャパンの「メイプルストーリー」。横スクロールタイプのアクションRPG(ロールプレイングゲーム)で、プレイヤーが協力し合って敵を倒し、お宝アイテムをゲットしながら、ゲーム内の自分自身(キャラクター)を成長させていく。07年10月4日からは「結婚システム」が追加され、プレイヤー同士の合意のもと、ゲーム内で一夫一婦制での結婚ができるようになった。

   結婚のメリットのひとつは、プレイヤー同士の精神的な繋がりを強くできること。また、キャラクターをパワーアップする指輪が装備できるなどだそうだ。結婚は結婚式がセットで、結婚式場には種類があり、最小で10人、最大で60人の友人キャラクターを招待できる。

   今回の事件は2008年5月中旬ごろに、ゲーム内で知り合った札幌市の男性会社員(33)と、宮崎市の女性(43)がゲーム内で結婚し、やがて離婚。ネクソンジャパンによればゲーム内で結婚や離婚を繰り返すのは珍しくないことだそうだが、この女性は一方的に「夫」から離婚されたことに腹を立て、前から知っていた「夫」のゲームIDで不正アクセス。「夫」のキャラクターを消滅させた。

   警察関係者によれば、男性が女性にIDを教えたのは、男性のキャラクターを「妻」にプレイしてもらい、キャラ成長の手伝いをしてもらうため。「妻」は一生懸命に「内助の功」で「夫」に尽くしていた。そんな「妻」にとって、一方的に「離婚」されるのは許すことができない、ということだったらしい。ネクソンジャパン広報はJ-CASTニュースの取材に対し、

「結婚、離婚はプレイヤーの方々の判断に任せているが、普通にコミュニケーションしていれば解決できる問題で、これだけの騒動になったという話は聞いたことがない」

と困惑している。

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