「ルイ・ヴィトン」が「東京ガイドブック」 「ミシュラン」と一味違う選択基準
2008.10.28 19:50
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「ミシュラン」で活気づくガイドブック市場
「ヴィトン・ガイド」はこの市場を活気付かせる効果ももたらしそうだ。
フランス発のホテル、レストランのガイドブック「ミシュランガイド」が東京に初めて進出したのは07年秋。初版12万部が4日間で完売するというブームを呼び、ライバル誌も売上げを伸ばした。活気づくガイドブック市場の、08年の行方が気になるところだ。
文芸春秋は「東京いい店うまい店2009―2010年版」を08年10月30日に発売する。2年に1度のペースで刊行される同書は、今回、初めてミシュランの発売時期とぶつかる。日本人の「探偵」40人が選んだ450店あまりのレストランを載せている。表紙には「フランス人には分からない情報を一挙に開陳!」と銘打ち、打倒ミシュランと言わんばかりだ。
「東京いい店うまい店」の出版局の担当者は、
「そりゃあミシュランを意識していますよ。07年はミシュランに引っ張られて、ガイドブック市場全体で売上げが伸びたと聞いています。08年はどうでしょうか。うちのほうは大型書店での取り扱いも決まりましたし、期待度は高いですよ」
と意気込みを語る。
ぴあは、700店のレストランを紹介する「東京最高のレストラン2009」を08年10月30日に発売する。08年版をミシュランの直前に発売したところ、売上げが前年比20%増と大幅に伸びた。09年版にはミシュランをテーマにした座談会企画を盛り込んでいる。
業界内で「ミシュラン効果」は確かにあった、と見られている。ミシュランを敵視するのではなく、ふくらんだ市場でパイをいかに取り込むか、あの手この手の作戦が繰り広げられている。