2018年 7月 21日 (土)

「危ない会社」情報合戦過熱 実名リスト競うように公表

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   民間の信用調査会社が、「危ない会社」の実名リストを競うように公表している。倒産多発を懸念して取引先がピリピリしているためで、300社をリストアップしたケースもある。信用不安を煽るとの指摘もあるが、調査会社では「連鎖倒産しないように情報提供するため」などと説明している。

300社をリストアップしたケースも

「ほぼ経営破綻状態」
「株主に反社(反社会的勢力)の影あり」

   民間信用調査会社の東京経済が公表した「危ない企業300社リスト」に書かれた情報だ。それぞれ、東証1部に上場している総合建設会社と自動車部品メーカーについて記述したものになっている。

   このリストは、銀行や商社の与信管理担当者らが詰めかけた2009年2月4日のセミナーで配られた。4社に1社が上場企業で、具体的な社名や、年商、主力銀行などが記され、A(支払い悪化)、B(社内人事抗争)などと経営リスクが記されている。

   東京経済のほかにも、実名リストを公表する調査会社が出ている。

   東京商工リサーチは08年12月22日、1年以内に経営破綻するリスクがある上場企業107社を明らかにした。この中には、カー用品チェーンなどお馴染みの企業名も含まれている。

   両調査とも、業種別では、不動産会社と建設会社が多い。未曾有の不況だけに、調査会社が、競うようにして具体的な企業の経営情報を明かしているのだ。

   リスト公表について、東京商工リサーチの情報部では、「9月中間期の決算書や監査法人による注記に書かれた企業を集計しました」と明かす。一方、東京経済の情報部では、300社ものリストは、決算書や注記のほかに、大口の焦げ付き先判明、倒産懸念のある問題発生といった点を勘案して作成したという。

「信用不安を煽る意図はない」

   実名リスト公表の背景には、株価1円の企業まで出るほど、経営が逼迫しているところが続出しており、金融機関や取引先が神経を尖らせていることがあるようだ。

   東京経済の情報部では、こう説明する。

「住宅に続き、車、そして家電も売れなくなりました。この大不況で、今後、倒産が大増発すると言われています。銀行などのセクションでは危機感を募らせており、どう対応するか参考にしてほしいと作成しました。信用不安を煽る意図はなく、むしろ連鎖倒産を避けないといけないと注意を呼びかけています」

   同社によると、リストは、08年夏も公表しており、うち41社がその後に倒産。15%もの確率で当たっていたという。09年2月4日公表のリストでも、翌日に倒産したマンション分譲大手の日本綜合地所が含まれていた。

   もっとも、「危ない会社」を巡る情報合戦について、その過熱を懸念する指摘もある。

   ある外資系証券会社の幹部は、「経済が悪いときの方が、信用調査が重要になります。しかし、行き過ぎると、心理的な悪影響が十分ありえます。相場を下げることも考えられるでしょう。専門の会社なので、信憑性は高いのだと思いますが、客観的なデータの提供がまず大切です」と話している。

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