2018年 7月 19日 (木)

長谷川洋三の産業ウオッチ
東電社長の感触:サハリン2プロジェクトの先行き

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「ロシアのメドベージェフ大統領は背丈こそ私くらいだが、日本との協力にかける熱意はたいしたものだし、握手するにも力がこもっていた。日本のすぐ近くのサハリンから液化天然ガス(LNG)が運ばれることは我々にもメリットがある」

   東京電力の清水正孝社長は2009年2月25日、東京都内でメドベージェフ大統領と会った印象をこう強調した。2月18日にサハリン南端のプリゴロドノエで行われたサハリン2鉱区のLNGプラント(サハリン2)稼動式典に出席し、その後食事に招かれた。サハリン2から産出される天然ガスの6割は日本向けで東電は日本の最大の購入者だけにロシア側も厚遇したらしい。

   清水社長によるとサハリン2は日本に近いのでマレーシアや中東などから購入するよりも輸送費が安いうえ、購入資源の分散化によるリスクヘッジにつながる。「サハリンのLNGを購入していることで他の資源国に対するけん制にもなる」という。さらに「輸送パイプを通じて直接ガスを輸入している欧州と比べ、我々はタンカー輸送なのでパイプを締められて困るということはない。このプロジェクト稼動を機に、液化石炭ガス開発など協力範囲を広げてゆく」と大きな期待を寄せる。

   サハリン2プロジェクトは欧州のロイヤル・ダッチ・シェルや三井物産、三菱商事が中心になって進めてきたが、外国企業だけでプロジェクトが進められたことにロシアの不満が募り、最終段階になって2006年にプーチン政権のもとで環境破壊を理由に工事の承認が一時取り消され、ロシア政府系のガスプロム社がサハリン2の権益の過半数を獲得するなど、一騒動があったことも確かだ。しかしLNGは石炭や石油に比べCO2排出量が少ないなどクリーンなエネルギーとしてのイメージもあるだけに、CO2排出企業としても大事に育てたい意気込みがあふれていた。

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