日米相次ぎ国債購入拡大 協調して財政出動を下支え

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   日米の中央銀行が相次いで長期国債の購入に動いた。日銀は購入額を月1兆4000億円から1兆8000億円(年21兆6000億円)へと過去最大の4000億円の増額を決定。米連邦準備制度理事会(FRB)も半年で最大3000億ドル(約30兆円)の大規模な購入に乗り出す。日米両政府は大型景気対策に着手しており、中央銀行が協調して財政出動を下支えする構図が鮮明となっている。

企業の資金繰りを安定させる目的だけなのか

   2009年3月に行われた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、世界不況克服に向け、早期の財政出動で一致した。金融政策も利下げがほぼ限界を迎える中、「(金利以外の)非伝統的な手法を含むあらゆる政策を活用」として、財政・金融政策の総動員で取り組む姿勢を表明した。同時に開かれた日米財務相会談では、与謝野馨財務・金融・経済財政担当相が追加経済対策の取りまとめを公約。米政府も大型景気対策を成立させており、これに金融政策がどう対応するのかが焦点となっていた。

   大規模な財政出動は、これをまかなう財源として、国債の増発が必要だ。だが、景気の大幅悪化で日米とも巨額の財政赤字を抱えており、「国債がさらに発行されると、市場で消化しきれない」との懸念が広がって、日米とも長期金利が上昇傾向にあった。長期金利がはね上がれば、政府の国債利払いや企業の借入金利などの負担が増大し、景気を一段と冷え込ませる恐れが大きくなる。ここで国債引き受けに登場したのが日米の中央銀行だ。

   日銀の白川方明総裁は国債購入の大幅増額について、「金融機関が保有する国債を買い取って、市場に積極的に資金供給し、企業の資金繰りを安定させる」と説明。「国債増発を念頭に置いたものではない」と財政支援目的を否定した。認めてしまうと、日銀が政府の財布代わりになり、財政規律が失われて、インフレが高進しかねないからだ。だが、総裁発言を言葉通りに受け止める関係者は少なく、市場では「景気対策を後押しする狙い」との見方が支配的だ。

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