2024年 3月 28日 (木)

激務薄給、ワンマン、理不尽な要求 「ブラック企業」とはいったい何者だ

   ネット上の掲示板で、就職活動中の学生たちの間で、「ブラック企業」という言葉がよく登場するようになった。「ブラック企業」をテーマにした映画も2009年冬に公開されるほか、同様の書籍も次々発刊されて、ネットで使われるスラングから流行語になりそうな勢いだ。「ブラック企業」とはいったいどんな会社なのか。

ネットスラングから書籍、映画へと広がる

映画で主役を演じる小池徹平さん。ニート時代(左)と就職後
映画で主役を演じる小池徹平さん。ニート時代(左)と就職後
「低賃金で奴隷のようにこき使われる」
「サービス残業、休日返上は当たり前」

   こんな会社がブラック企業と呼ばれるらしい。

   激務薄給のほかにも、ワンマン経営者、体育会系といった風土がある企業、不祥事を起こした会社なども含まれるようだ。

   ブラック企業という言葉をいつ、誰が使い始めたのか定かではないが、インターネットが普及して匿名で内部情報を書き込めるようになり、広まったと言われている。その代表的なのが巨大掲示板「2ちゃんねる」の「就職板」や「転職板」だ。内部にいる者しか知り得ないような情報も書かれている。書き込まれた内容をもとに、「ブラック企業就職偏差値ランキング」としてまとめたものもある。

   とはいえ、ネットユーザーの使う「スラング」の域を出なかったが、08年から関連書籍が相次いで発売されるようになる。「ブラック企業の闇 それでもあなたは働きますか?」(晋遊舎、08年5月発行)、「就職先はブラック企業 20人のサラリーマン残酷物語」(彩図社、08年12月22日)、「ブラック企業とシュガー社員」(ブックマン社、09年4月)など。

   また、08年後半の世界同時不況で雇用が悪化し、「派遣切り」や「内定取り消し」をした企業もブラック企業と呼ばれ、より幅広い意味で使われるようになる。

   さらに09年冬にはブラック企業の名前を冠した映画が公開される。

   タイトルは「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」。高校中退の26歳のニート(男性)が母の死をきっかけに、情報処理の資格を取ってプログラマーとして就職。ところが、とんだブラック会社であることが判明する。

   07年11~12月に2ちゃんねるに書き込まれた同名のスレッドが元になっている。筆者の男性は入社早々、上司に「定時なんてものは都市伝説だ」と怒られたり、誰も質問に応じてくれない変な空気などについて詳しく書くと、2ちゃんねるの住人も参加して話が盛り上がっていく。08年6月には新潮社から書籍化された。

   09年4月19日に映画のクランクインを迎えるにあたって、主人公を演じる俳優の小池徹平さん(23)は、「難しい役ですが、体当たりでぶつかっていこうと思っています」とコメントしている。

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