桑田佳祐「追悼」特別番組――。フジテレビが、サザンオールスターズ桑田さんの新番組でこんなドッキリを仕掛けた。「やり過ぎでは」との声が出る一方、不自然な設定からネタだと分かると擁護する声もあり、論議になっている。半信半疑になったファンも番組は突然、「追悼」とテロップが入った黒い画面から始まった。フジテレビ系で2009年4月20日深夜放送の音楽バラエティ番組「桑田佳祐の音楽寅さん」。サザンオールスターズのリーダーの桑田佳祐さん(53)がこの日8年ぶりに復活させた番組だけに注目されたが、いきなり佐々木恭子アナウンサーが次のように切り出したのだ。「きょう未明、歌手の桑田佳祐さんが、お亡くなりになりました」佐々木アナは、黒いスーツ姿。しかも、後ろには、黒いリボンを付けた桑田さんの白黒写真が大きく飾られている。そして、佐々木アナが「今夜は、予定されていた番組内容を急きょ変更して、桑田佳祐さんの追悼番組をお送りしていきます」と告げ、「追悼特別番組」がスタート。悲しげな音楽が流れる中、コンサートの映像などが紹介され、佐々木アナは、「享年53歳。音楽を心から愛した男はこの世を去った」などと言葉を継いだ。生前最も親しかったなどと紹介されたユースケ・サンタマリアさんや岸谷五朗さんらも黒ネクタイ姿で出演し、「信じられない」と首を振ったり、目頭を押さえたり。この間、約3分。そして、左後ろから着ぐるみのトラが手を振って現れ…。「サザン桑田死亡」はネタだったというわけだ。とはいえ、その間に半信半疑になったファンもいたようだ。ネット上では、真偽を確かめようと、ニュースサイトを検索したとの声が相次いだ。2ちゃんねるでは、番組開始直後に「サザンオールスターズの桑田佳祐氏死亡」といったスレッドが立てられたほどだった。ネタと分かると擁護も出るフジテレビのこの番組を巡っては、ネット上で論議になっている。Q&Aサイト「ヤフー知恵袋」では2009年4月20日の番組中、「8チャンネルいい加減にしろ!!」というタイトルの質問が寄せられた。「皆さんはどうおもわれましたか??」との問いかけに対し、「誰が企画したか解らないけど出演者含めて悪ふざけがすぎる」「正直こういう縁起でもない冗談は酷すぎるにもほどがありますよね^^;」「半信半疑ながら泣いてしまったので『涙返して』って感じ」と共感の声が寄せられた。一方で、すぐにネタと分かると擁護する声もある。「ってか、本当ならテレビ局各社ニュース速報打ってるでしょ」「本当に桑田さんが亡くなったのならテロップ付きの録画放送ではなく生放送で報じるに決まってる」「桑田さんのキャラも昔の音楽寅さんも知ってるファンからすれば一瞬で見抜いて楽しめましたけどね」ところで、フジテレビでは、過去にもこんなドッキリを仕掛けたことがある。1991年に放送されたバラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげです」でのことだ。とんねるずの木梨憲武さんが盲腸で倒れて死亡と番組内で紹介し、ネタと分かって視聴者から怒りの声が相次いだ。今回の桑田佳祐さんのネタは、この番組を参考にしたのか。また、疑問の声が相次いでいるだけに、もう少しネタだと分かりやすい番組にすべきではなかったのか。J-CASTニュースでは4月21日午後、こうした点について聞こうと、フジテレビなどに取材を申し込んでいる。
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