2024年 4月 26日 (金)

「縦割り」と「横並び」がガン キャリアみずから明かす「官僚改革」
インタビュー「若者を棄てない政治」第9回/新しい霞ヶ関を創る若手の会代表・朝比奈一郎さん

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「アメリカもやってます、フランスもやってます」

――もう一つの問題とはなんですか?

朝比奈 前例・横並び主義です。予算要求が典型なんですけど、新しい政策をやろうとすると、どうしても「前例はどう?ほかの国は?」みたいな話から始まっちゃうんですよね。これは冗談みたいな本当の話ですけど、予算要求のやり方が各国で違うという話があります。

   アメリカでは「これはアメリカが最先端の研究で、今やれば一番になれる」というと予算がつきやすく、フランスだと「この案は非常にユニークで、フランス独自のものです」というと予算がとりやすい。日本の場合は「アメリカもやってます、フランスもやってます」というと一番通りがいい(笑)。

――入るときには「公のためにがんばろう」という高い意識をもった人も多かったのではないかと思うのですが、なぜ中に入ると縦割り行政とか前例主義になってしまうのでしょう?

朝比奈 なってしまうというか、現実がそのように進んでいるんですよね。縦割りでいえば、司令塔となる部署があって、各省庁の言いたいことをバシっと裁いてくれるということであればいいんですけど、結局、そういう司令塔がいないんです。

――そういう司令塔的な判断は、首相とか大臣とかがするんじゃないんですか。

朝比奈 私は小泉内閣のときに特殊法人改革の担当をしていましたが、当時あった163の特殊法人のどれが必要で、どれが不要かということについて、忙しい総理がすべて判断するというのは現実的には無理です。結局、道路公団など一部の法人以外は事務局で決めることになります。

   でも事務局でといっても、みんな各省から出向で来ているから、「自分のところの法人はいりません」とかなかなか言えないわけですよ。そうなると、結局バランスを取って、一律に予算を減らすとか、どの省も1個ずつ減らしましょうとなってしまう。

――横並び主義の典型のような話ですね。

朝比奈 結局、仕組みが悪いということです。官僚に対する印象として、「役人一人ひとりとしゃべると、結構まともなことを言うし、面白い人も多い」という話はときどき耳にする。でもそれぞれの立場になると、とたんにディフェンシブになってしまう。

   そういう現象は霞ヶ関だけでなく、ほかの大企業でもあると思うんです。やっぱり仕組みがよくならなければ、いくら熱い思いをもった優秀な人が入ってきても結局うまくいかない、というのが我々の思いですね。
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