2018年 10月 22日 (月)

紙媒体極度の不振の中で 角川が出版業界独り勝ちの秘密

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   大手出版社が軒並み赤字になる中で、角川グループが突出して売り上げを伸ばしている。ネットや映画、DVDなどへの多メディア展開が功を奏しているらしい。が、それは、裏を返せば、紙媒体が末期状態ということでもある。

涼宮ハルヒなどで多メディア展開

   新作のテレビアニメが放映されるか、を巡ってネット上で熱い議論が繰り返された「涼宮ハルヒの憂鬱」。そんな人気ぶりで、今やアニメのほか、コミックやゲーム、DVDなどまでハルヒのキャラクターが広がっている。

   もともと、ハルヒは、角川スニーカー文庫から2003年に発売された同名のライトノベルが原点だ。そのユニークなキャラクターがオタク層などに受けて、ここから次々に多メディア展開された。このほか、人気漫画がアニメやゲームになった「らき☆すた」も、角川の雑誌連載がきっかけだ。

   こうした事業が成功して、角川グループは、ここ数年で業績が躍進しているのが目立つ。2009年度の営業利益も、08年度の35億円から50億円へと拡大する見通し。08年度に、講談社が76億円、小学館が63億円の赤字を出すなど、出版業界が窮地と言われる中で異例のことだ。

「ライトノベルなどのコンテンツを、いろんなシーンで展開したのがよかったと考えています。われわれは、こうした展開を『ワンソース・マルチユース』と呼んでいます。もともと、角川書店が『犬神家の一族』で、出版業界では珍しく映画化までしたことがきっかけにあります。当時メディアミックスと言われたもので、社内文化的に取り組み、ノウハウを蓄積してきました」(角川グループホールディングス広報室)

   マルチユースできる事業会社を、7社も抱えているのも強みらしい。ケータイ小説の「魔法のiらんど文庫」などがあるアスキー・メディアワークスなどだ。角川グループについて特集した週刊東洋経済の09年9月19日号では、「テレビや映画、DVDなど他のメディアに展開すればするほど、上流の書籍などが相乗効果でまた売れる」と分析している。

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