2024年 4月 26日 (金)

「マスメディアからネットメディアへ」 ジャーナリスト大移動は起こるか?

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「娯楽以外」の可能性

   また、有料モデルとして注目されているのが、ワシントンDCを拠点にした政治専門メディア『ポリティコ(Politico)』だ。

「(有料記事の購読料は)年間200ドル(約2万円)。結構高いと思われるが、我が家で取っている新聞も年間5万円近くする」

   そのように新保氏は語り、ポリティコは多くのアメリカ人に購入価値があると判断されていると評価する。ポリティコは、ワシントンポストなどの記者たちが新たに立ち上げたメディアだ。そのような現象をさして、新保氏は

「ジャーナリストのマイグレーション(移動)が起きている」

と指摘する。このようなオルタナティブメディアにおいては、必ずしもテレビのようにエンターテインメント性だけが重視されるわけではないと、新保氏は言う。

「娯楽的なものがキラーになるものとは限らない。他のコンテンツ、たとえば、社会性を追及するものや、生活の質(QOL)を向上させるようなものが今後、評価されていくのではないか」

   では、このような多様なオルタナティブメディアの担い手となるのは誰か。一つには、ブログなどでの情報発信に意欲的な「覚醒した市民」が今よりも一層、発信力を強めていくことが考えられる。その際には、個人が発する情報をまとめる「オルタナティブメディア統合プラットフォーム」が存在感を増していくことになるだろう、と新保氏は予測する。

「そのときにベンチャーのようなところだとなかなかメジャーになっていくことはできないので、既存の大きなメディアが小さな企業を買収するかたちで、ある種の代替的な、オルタナティブメディアの統合プラットフォームが作られていくのではないか」

   もう一つの動きが、アメリカの『ポリティコ』に見られるような、オールドメディアからオルタナティブメディアへという「ジャーナリストの移動」だ。新保氏は「ニューヨーク・タイムズのような記事は、有能な記者を抱えているからこそできるともいえる」と言いながら、次のように語った。

「アメリカでは、ローカル性や異種コンテンツに特化した、これまでとは全く違ったビジネスモデルの会社が、オールドメディアからプロのジャーナリストが移るかたちで起こっている。そういう動きが日本でも起きてくる可能性はあると思う」
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