メジャーリーガー・イチロー選手のキャラクターは「ゴキブリ」。日本のファンが聞けば怒りそうな話だが、さてどういうことなのか。アメリカの着ぐるみパフォーマンス集団「ZOOperstars!」(ズーパースターズ)が来日し、ゴールデンウィークに埼玉西武ライオンズ「西武ドーム」に登場する。ファンをくすぐるための長い触覚を持っている「ZOOperstars!」公式ホームページで紹介されている「イチローチ」有名スポーツ選手をモチーフにした着ぐるみ売り物で、グラウンドでコミカルなダンスパフォーマンスを披露する。主にアメリカ野球の2A、3Aの試合でブレイクタイムに登場。球場が大爆笑に包まれるなど大人気になっている。例えば、SamuelSosa(サミー・ソーサ)が「ClammySosa」の名前で貝のキャラ。DerekJeter(デレク・ジーター)は、「DerekCheetah」の名前でチーターに。野球選手以外ではアイスホッケーのWayneGretzky(ウェイン・グレツキー)が「WhaleGretzky」で、鯨にキャラ付けされている。ところが、イチロー選手のマスコットの名前は「IchroachSuzuki」。「Roach」はゴキブリで、その姿形もゴキブリなのだ。動物キャラが殆どで、「害虫」はイチロー選手くらいだ。「ZOOperstars!」の公式ホームページには「IchroachSuzuki」(イチローチ・スズキ)のプロフィルが掲載されている。「この、すばしっこいゴキブリは、アメリカン・リーグの対戦相手から小走りで逃げてきています。何年にもわたって、日本の路上に残された寿司を食べていましたが、米国の乗客のサラダボールに乗り換えることに。ビーズのような目と、長い触覚で知られています。ダントツで一番人気のあるゴキブリです!」また、身体的特徴として、大きな身を守るための殻を背負っている。試合後のグラウンドに落ちているポップコーンを食べ過ぎたためお腹が大きい、ファンをくすぐるための長い触覚を持っている、とも書かれている。「苦情のようなものは一切来ていません」西武ライオンズが今回のイベントを告知したのが10年4月13日。「イチローやジーター、といったスーパースターをモチーフとした動物たちが所狭しと駆け回る『ズーパースターズ!』」この内容に興味を持ったファン達は「イチローがゴキブリとして扱われている」と驚き、10年4月14日からネットの掲示板やブログには、「実際に西武ドームでゴキローでてきたら、日本人としては複雑な気持ちだろこれ」「イチローってゴキブリ呼ばわりされて嫌われてるんだね」「松井秀喜=ゴジラ イチロー=ゴキブリ 同じ日本人でこの扱いの差」などと書き込まれている。実はこのゴキブリキャラ、これまで何度か来日している。09年5月も「横浜スタジアム」などに登場し愛嬌を振りまいた。同じく西武ドームの昨年のGWイベントにも登場していた。埼玉西武ライオンズ宣伝部によると、2009年の「ズーパースターズ!」の公演が大好評だったため、今年もパフォーマンスを披露してもらうことを決めた。親子揃って笑い、楽しめるショーのため、「イチロー選手がゴキブリで酷い、などといった苦情はありませんでした」と同宣伝部は話している。
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