2019年 9月 19日 (木)

会社名なし、動画だけ放映 「ラヂオ体操第4」のカラクリ
リーボックジャパン ジェイ・ナルバック氏に聞く

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   インターネットの動画サイトにアップされた、一見誰もが知っている「ラジオ体操」の映像。だが見続けていると、体操が徐々に「ヘン」な動きになる。演者が椅子の上に倒立して開脚を繰り返したり、片足立ちでヨガのようなポーズをとったりと、とてもまねできそうにないアクロバティックな内容なのだ。

   「ラヂオ体操第4」と名づけられたこの映像は、スポーツ用品メーカー・リーボックジャパンが商品のPR用に制作したものだ。しかし、会社名は登場せず、テレビでは放映されない。一風変わった商品プロモーションについて、映像制作の責任者であるリーボックジャパンのジェイ・ナルバック氏に聞いた。

「何か変だぞ」と想像を膨らませるのが狙い

ラジオ体操に日本の文化を感じたと、リーボックジャパンのジェイ・ナルバック氏
ラジオ体操に日本の文化を感じたと、リーボックジャパンのジェイ・ナルバック氏

――ラジオ体操を題材にしたのはなぜですか。

ナルバック 今回当社でピーアールしたい商品は、一般の人が日常生活の中で運動する際に、最大限の力を発揮してもらえるスポーツウエアです。そこで、日本人とスポーツを結び付けるものとして、スタッフとの話し合いのなかで、ラジオ体操が浮かびました。
   特定のスポーツ選手をCMに起用した場合、その選手が嫌いな人もいるかもしれません。ゴルフや野球、テニスなど競技をひとつに絞ると、今度はほかの競技を楽しむ人を除外する印象を与える恐れがあります。でもラジオ体操なら、誰もが子どもの頃に体験したことがあるでしょうし、長年日本で親しまれてきています。プロ選手やオリンピック出場を目指すわけではない一般の人が、スポーツを楽しみながら健康を維持し、日々能力を向上するためのアシストをする商品のプロモーションですから、親しみを感じさせるラジオ体操はピッタリだったのです。

――途中から体操がアクロバットのようになります。どんな意味を込めたのでしょう。

ナルバック 楽しく見てもらいたい、面白い映像にしたいという思いが、制作当初からありました。「70年ぶりに新作のラジオ体操」と銘打って、まず「どんな体操だろう」と興味を引く。実際に見てみたら、普通の体操のはずが少しずつ「これは何か変だぞ」となり、視聴者の想像を膨らませるのです。
   この映像のもう一つの特徴は、テレビでは流さずネットの動画サイトのみで見られる点です。確かにテレビCMなら大勢の視聴者に向けて宣伝できますが、大量に流れるCMの中で大きなインパクトを残さないと埋没してしまう恐れがあります。ほかの広告やCMと差別化でき、ユニークな情報発信の方法を制作チームで模索した結果、今回は動画サイトだけにしようとの結論になりました。

――しかし、映像には社名も出てこなければ、商品のピーアールもありません。

ナルバック そこが狙いでもあります。「ラヂオ体操第4」では、映像を見た人のイマジネーションをかき立てて、口コミで「あんな映像がある」と広がっていく効果を期待したのです。実はこの映像に加えて、4月1日に「ラヂオ体操第4制定」という「号外」を刷り、都内で配布しました。一見「エイプリルフール」の冗談ですが、人々の目を引く方法で「動画サイトで、70年ぶりにできた新ラジオ体操が見られる」とピーアールしたかったのです。
   映像の中では、明確な形で商品紹介はしていませんが、最後に演者が履いているウエアにカメラが寄り、「TAIKAN」という文字がアップになりますよね。これが商品名です。私は最初、映像として面白ければ商品名は出さなくてよいと提案したのですが、制作段階の話し合いで「何の説明もなく名前を出したら、むしろ注目されるのではないか」との意見が出たため、取り入れました。
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