2019年 1月 17日 (木)

吉野家が280円「牛鍋丼」 「ひとり負け」脱出できるか

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   牛丼チェーンの低価格競争が過熱化するなか、吉野家が「戦略新商品」を投入することを発表した。発売されるのは、111年前の創業時のメニューの「復刻版」と位置づける「牛鍋丼」で、価格は牛丼よりも100円安い280円。競合他社が値下げキャンペーンで売り上げを伸ばすなか、減収が続く吉野家だが、低価格メニューの投入で「ひとり負け」の汚名を返上できるのか。

好調2社に対し17か月連続で前年割れ

新メニュー「牛鍋丼」を手にする吉野家・安部修仁社長
新メニュー「牛鍋丼」を手にする吉野家・安部修仁社長

   牛丼の低価格競争をめぐっては、吉野家が並盛で380円なのに対し、すき家は280円で、松屋は320円という価格を設定、吉野家の割高感が目立っていた。この3チェーンは、2010年7月下旬から8月上旬にかけて値下げキャンペーンを行ったが、すき家と松屋が並盛250円なのに対し、吉野家は270円だった。

   この結果、7月の既存店の売上高を見ると、すき家は前年同月比30.0%増、松屋も同5.3%増と大きな伸びを見せた。それぞれ、6か月、4か月連続で前年実績を上回っている。対する吉野家は、10.8%減で、前年割れは17か月連続。吉野家が値下げキャンペーンを行った7月28日以降でこそ、売上高が6~7割の伸びを見せたものの、通常価格の時期での落ち込みをカバーするには至らなかった。まさに吉野家の「ひとり負け」の様相だ。

「客数を増やすに最も有効なのは低価格」

   9月2日午前に東京・赤羽の吉野家本社で行われた発表会では、安部修仁社長も

「2010年に入って厳しい状況が続いている。競合他社の低価格が大きな影響があったことは認めるところ。お客様から『吉野家はどこに行くんだ』との声があることも認識している」

と反省の弁。そんな吉野家が「戦略新製品」と位置づけて9月7日から投入するのが、「牛鍋丼」。1899年の吉野家創業時に販売していた、牛肉を豆腐や野菜と一緒に煮込んだ牛鍋の具を、丼に入れたご飯にかける「牛鍋ぶっかけ」の「復刻版」だ。使用する肉は9割が米国産でオースラリア産1割と、従来通り米国産へのこだわりを見せた。「客数を増やすのに最も有効なのは低価格」(安部社長)だとして、価格は並盛で280円、大盛で380円と、牛丼よりも100円安く設定。一方で、牛丼の値下げについては、「利益率が下がる」(同)として、否定的だ。

   安部社長によると、10年5月に6店舗で試験販売した際は、客数で22~23%、売上で12%伸びたといい、「牛鍋丼」が業績をけん引することを期待している様子。さらに、10月7日には、「キムチクッパ」を並盛280円で投入。低価格メニューを充実させる。

   9月1日に発表されたばかりのすき家と松屋の既存店ベースの8月売上高を見ると、すき家は前年同月比32.3%増で、松屋は同8.0%増。相変わらず好調だ。吉野家の8月の実績が発表されるのは9月8日だが、今後「ひとり負け」から脱却できるか注目されそうだ。

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