2018年 7月 20日 (金)

押尾被告の裁判員裁判異例の事態 弁護人が「報道にとらわれないで欲しい」

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   合成麻薬を一緒に服用した女性を放置して死なせたとして、保護責任者遺棄致死などに問われている元俳優・押尾学被告(32)の公判が2010年9月3日に開かれた。今回の裁判は有名芸能人を裁く初の裁判員裁判となったが、押尾被告の弁護人は法廷で裁判員に対し「報道されているイメージにとらわれないで欲しい」と何度も繰り返す異例の事態になった。

   押尾被告は合成麻薬MDMAの使用や所持の罪で09年11月に懲役1年6ヶ月、執行猶予5年の東京地裁判決が確定している。今回の裁判ではMDMAを使用し死亡した女性を放置したとする保護責任者遺棄致死と、麻薬取締法違反の罪で裁判が行われている。

報道が先行し、裁判員は判断が難しくなる?

   押尾被告の弁護側は9月3日、「MDMAは女性から渡された」「被告は蘇生行為をしているし放置、遺棄していない。119番しても助からなかった」などと無罪を主張した。

   今回の裁判に対して、ネットでは一部に「公平な裁判が行われるのか」という不安が出ていた。有名芸能人を裁く初の裁判員裁判であり、裁判員が報道や、ネットでの根強いバッシングに影響を受け有罪にしてしまうのではないかというものだ。

   読売テレビ系情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」では、この日押尾被告の裁判員裁判について議論が白熱した。番組では有名人の犯罪の場合、不確定な報道が先行し、裁判員は事前にそれを見ているだけに判断が難しくなるのではないかと問いかけた。裁判の進行を報告する生のレポートが何度も入り、押尾被告の弁護側は裁判員に対し、

「報道されている押尾被告のイメージにとらわれないで欲しい」

などと何度も説明する「異例」の展開になっていると伝えた。

   番組に出演している経済評論家の森永卓郎さんは、押尾被告の事件を知らない日本人は一人もいないとし、裁判員は予断を持ってしまうため、

「裁判員で裁くべきかどうかを考えた方がいいのではないか」

と語った。

専門の裁判官よりも裁判員の方がむしろ適任

   一方、弁護士の嵩原安三郎さんは、報道は過去のように偏ったものは少なくなっているし、裁判員は偏見を持って裁判に臨むことは考えにくい、とし、

「僕はそんなに心配していません」

と語った。

   裁判員が様々な情報が飛び交う有名芸能人を裁く事は適切なのだろうか。紀藤正樹弁護士は取材に対し、

「専門の裁判官よりも裁判員の方が押尾被告を裁くのにむしろ向いている」

   と打ち明ける。裁判官は保守的な人が多いため、世論や報道などに影響を受けやすい。また、検察官との関係もあり一種の「利害関係」的なものが出る場合もある。実は、裁判員制度はそうした事への批判の中から生まれたという背景があるため、

「裁判員は一生で1回の仕事なので、検察官との利害関係が希薄であり、検察官の誘導にも乗りにくい。真剣に、証拠や証言に対し忠実に判断すると思われます」

と説明する。

   今回は保護責任者遺棄致死という微妙な判断を要求される裁判になるが、一般の生活者が日常の常識に照らし合わせて裁くため、どのような判決になるのか紀藤弁護士自身も注目しているという。

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