2024年 5月 2日 (木)

押尾被告に「致死」罪つかず 「死人に口なし作戦成功」批判も

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   著名芸能人関連裁判としては初の裁判員裁判となる元俳優、押尾学被告(32)の判決公判で、東京地裁は懲役2年6か月の実刑判決を下した。インターネットでは、早速「刑が軽い」「いや、妥当だ」と様々な反応が寄せられ、関心の高さをうかがわせた。

   2010年9月17日午後、東京地裁で判決公判があり、山口裕之裁判長は、押尾被告に実刑判決を言い渡した。合成麻薬MDMA譲渡など、問われた4罪のうち、焦点となっていた保護責任者遺棄致死罪については、「致死」は認められず、保護責任者遺棄罪が適用された。

「押尾大勝利」「刑が軽すぎ」

   「刑が軽すぎ」「押尾大勝利」……。17日15時すぎに判決内容のテロップがテレビで報じられると、ツイッター(Twitter)などネット上では早速反応が寄せられた。検察側の求刑が懲役6年だった時点で「求刑が少ない」「求刑以上の判決が出た例があり、今回もその可能性がある」などと元検事らの識者談話がさまざまなメディアで報じられていたこともあり、「懲役2年6か月」は軽すぎる、と受け止め批判した人も多かった。

   一方、「妥当な線だ」「裁判員は、マスコミの押尾悪人視報道の影響を受けず、意外と冷静な判断をした」と評価する意見も多くみられた。「量刑だけでなく、判決理由も把握してからコメントすべきだ」との冷静な指摘もあった。

   保護責任者遺棄致死罪については、亡くなった女性の容体が急変した後、早く119番通報していれば命が助かったかどうかが焦点となった。検察側証人の医師は「100%近く救命できた」とする一方、弁護側証人の医師は「高くても30~40%」と専門家の意見は割れていた。このため、「疑わしきは被告人の利益に」の原則から「致死」の適用を困難視する意見も出ていた。

ネットではモラル崩壊懸念の声も

   一方で、法的に「致死」が認められなかったことを受け、ネット上では、今後似たような状況下で人を助けようとしなくても問題ない、もしくは助けない方が良い、というモラル崩壊が起きるのではないか、と懸念する声も多数出ている。「下手に」助けようとして相手に障害が残る、などの問題が起きるよりも「見殺しにして死人に口無し作戦にした方が良い」などの指摘だ。

   17日の判決後、東京地検は大鶴基成・次席検事名でコメントを書面で発表した。

「裁判員のご理解を得るべく最大限の努力をしたが、事実認定の一部につき、検察官の主張が認められなかった点については、判決内容を十分検討した上、適切に対応したい」

   一方、押尾被告の弁護側は判決を不服として即日控訴した。押尾被告側は、「そもそも(被告は)保護責任者に該当しない」と主張していたが、完全に退けられた形だ。

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