2024年 4月 20日 (土)

朝鮮半島「武力衝突」で円安 やっぱり「有事のドル買い」なのか

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

米ドル「すでに信頼低下」で効果薄

   とはいえ、今回の朝鮮半島の武力衝突では、ことドル円相場においては「有事のドル買い」の効果は薄かったようだ。東京外国為替市場の2010年11月24日のドル円相場をみると、午後には1ドル83円20~25銭程度の円高水準に戻して推移している。朝鮮半島の武力衝突が収まりつつあり、一方でアイルランドなど欧州の財政不安でユーロへの信頼が低下して、日本円が買い戻された。

   円高の動きについて、あるFX業者は「朝鮮半島の地政学的リスクに嫌気がさしていることに加えて、欧米で株価が急落したことで、リスク回避の動きに拍車がかかりました。その結果として円買いになりました」と説明する。

   ただ、朝鮮半島の軍事的緊張がいま以上に高まれば、日本経済にも悪影響を及ぼし、再び円安に動く可能性はなくはない。

   どうやら「有事ドル買い」の格言は崩れつつあるようだ。前出の枝川二郎氏は、「2001年9月11日の世界同時多発テロ以降、米国がテロの対象となったことで、『有事のドル買い』は必ずしもそうではなくなった」という。テロの標的となったことで米国経済に悪影響を及ぼし、それが米ドルの価値を下げている。実際に、「9・11」のときにはドルが売られ、スイス・フランや日本円などが買われた。

   最近、有事に強い通貨といえば、スイス・フランやノルウェー・クローネ。日本円も「強い」とされる。別のFX業者の幹部は、「有事のとき信頼がおけるのは債権国の通貨。その点で米国はすでに信頼が低下している。結果的に、米ドルはテロの対象にならなければ、買われるといった程度」と話している。

1 2
姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中