2024年 5月 8日 (水)

原子力と放射能の基礎知識/連載(4)被ばくするとはどういうことか
日本原子力学会異常事象解説チーム・二ツ川章二管理本部長(日本アイソトープ協会)

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雨や雪の影響で放射線量が増加

   風の強さ、風向き等の天候によって放射性雲は様々な動きをするため、放射線量は時々刻々と変化します。また、雨や雪が降ると空気中に漂っていた放射性物質が雨や雪と共に落下してきますので放射線量は増加します。放射線量が通常より高い地域で、雨や雪の日に傘をさす、また、帽子をかぶることが奨励されているのは、落下してくる放射性物質を身体に付着させないためです。

   放射線の種類や放射線が当たる部位に関係なく、放射線が人体に与える影響の程度を測る単位がシーベルト(Sv)です。その1000分の1がミリシーベルト(mSv)、100万分の1がマイクロシーベルト(μSv)です。私たちは大地、食物、宇宙、空気中ラドンからの自然放射線によって世界の平均で毎年2.4ミリシーベルトの被ばくをしています。また、東京からニューヨークまで航空機旅行をすると片道で約0.1ミリシーベルトの被ばくをします。

   通常より高い値として報道される0.1マイクロシーベルト/時とはその時刻の放射線量を1時間あたりの放射線量率に換算したもので、その場所の放射線量率が1年間同じ値であったと仮定して、その場所に居続けると0.876ミリシーベルトになるという値です。実際は、上述のように放射線量は絶えず変化しています。日本における1年間の大地からの放射線量の平均は0.4ミリシーベルトですが、ラジウム温泉が多いイランのラムサール地方の平均は10.2ミリシーベルトと報告されています。自然の環境でも非常に高い放射線量のところがあり、そこで生活している住民の健康に特別な影響は見いだされていません。

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