2018年 6月 20日 (水)

東大教授「日本全国どこでも危ない」 地震の場所や時期など予測は不可能

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   「日本の地震研究を見直すときがきた」と提言する研究者が現れた。東京大学のロバート・ゲラー教授は、東日本大震災の発生を受けて、長年にわたる日本政府の地震予知政策に異論を唱える、衝撃的ともいえる論文を発表した。

   過去30年間、日本で大きな被害を出した地震は、政府の予測とは違った場所で起きている。そもそもいつ、どこでどの程度の規模の地震が起きるかなど予測できるはずがない――。ゲラー教授は鋭く指摘する。

30年以上起きない「東海地震」はミスリード

ゲラー教授が作成した「震災発生マップ」(ウェブサイトより)
ゲラー教授が作成した「震災発生マップ」(ウェブサイトより)

   ゲラー教授の論文は2011年4月13日、英国の権威ある科学誌「ネイチャー」電子版に掲載された。冒頭で「日本政府は、地震の発生を確実に予測することは不可能だと国民に対して認めるべきだ」「誤解を招く『東海地震』という用語の使用をやめること」「1978年に制定された大規模地震対策特別措置法の廃止」の3点を要旨に掲げている。

   文部科学省に設置されている地震調査研究推進本部は、毎年、「全国地震動予測地図」を発表している。2010年5月20日の最新版では、今後30年以内に震度6弱の地震が起こる確率が高い地域として静岡県や愛知県、紀伊半島東部から南部、四国南部が挙げられた。いわゆる東海地震、東南海地震、南海地震が起きるとされている場所にあたる。

   ゲラー教授はこの地図と、1979年以降に国内で発生した地震で10人以上の犠牲者を出した規模のものがどこで起きたかを重ね合わせた。1993年の北海道南西沖地震や95年の阪神大震災、2008年の新潟県中越沖地震など該当する地震は9件あるが、いずれも「予測地図」に示された東海、東南海、南海地震の場所から大きく外れているのが分かる。東日本大震災に関しては、宮城県の一部が地図上で高確率地域となっているものの、震度6強を観測して大きな被害を受けた岩手県や福島県、また栃木県や茨城県北部は「発生率6%以下」と低い確率に区分けされている。

   この点をゲラー教授は指摘し、「30年以上にわたって日本政府や、地震調査研究推進本部とその前身の組織は『東海地震』という用語を頻繁に用いてミスリードしてきた。マスコミは、この地震が本当に起きるもののように報じて、国民は『東海地震』の発生が時間の問題だと信じ込むようになった」と批判。巨大地震がいつどこで起こるかは、今の研究レベルでは予測することは不可能だと断言した。

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