2024年 4月 24日 (水)

太陽光発電が脱原発の一番の担い手になる
日本共産党・吉井英勝衆院議員に聞く(下)

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間伐材使った木質ペレットで冷暖房は動かせる

吉井 太陽が地球にもたらすエネルギーは、年間で4000ゼータジュールを超えるんです。今地球にある埋蔵ウランを数十年~100年かけて全部燃やしたとしても、得られるエネルギーは8ゼータジュール程度です。エネルギー量が全然違います。放射能汚染や環境に厳しい問題を持っている原発に頼るよりは、再生可能エネルギーの活用で、原発に頼らない方向に転換すべきだと考えています。
   高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)関係の事業費を全部足したら、5兆円ぐらいになります。これを全部再生可能エネルギーに投じていれば、全然違う形になっていたと思います。普及すればコストも下がる。やはり、そこに行くべきだと思います。
   分かりやすい例で言うと、1000平方キロメートルを太陽光発電所に変えた場合、メンテナンスのスペースを2割取ったとしても、年間1000億キロワット時の電力が生まれます。
   柏崎刈羽原発を1号機から7号機まで全部動かして作れる電力が、年間500億キロワット時。さらに、この表現を好まない方もいますが、1000平方キロメートルという面積は、在日米軍基地の面積とほぼ同じです。
   「原発はすごい、すごい」とみんな思っていますが、実はそう思わされているだけで、柏崎刈羽原発の2倍の電力が、在日米軍基地の面積でできる。平地に建設した場合は基礎工事などで費用がかさみますが、屋根に取り付けるのであれば、そうでもない。駐車場であれショッピングセンターであれ、何でもいいんです。日本の年間発電量が9000億キロワット時。9分の1は、これでまかなえるんです。原発に頼らずにやっていける道が具体的にイメージできるのではないでしょうか。
   太陽光以外にも、風力発電や、小水力発電、自然エネルギーには地熱発電もあります。間伐材でペレット燃料を作ることもできます。中東から油を買わなくても、木質ペレットで冷暖房は動かせます。農家の温室栽培も、ペレットボイラーを作ればやっていける。それが新しい産業を生み出し、地域経済をよみがえらせる力にもなります。エネルギーと環境を一体のものとして考えていくのが、これからの道だと思います。

―――「原発をなくしたら、火力発電を増やさないと電力需要をまかなえない。これでいいのか」という指摘もあります。

吉井 火力については、二酸化炭素の問題があります。やはり、再生可能エネルギーへの転換を図っていかないと、温暖化対策ができません。ドイツや北欧諸国が目指しているのが、まさにそれです。そのためには、大きなバッテリーや技術の開発を進める必要があります。要は「地産地消」のエネルギーですね。これで、電源や電圧を安定した状態で供給することができます。

吉井英勝さん プロフィール
よしい・ひでかつ 衆院議員、日本共産党環境・エネルギー・原発問題委員長。1942年生まれ。京大工学部原子核工学科卒。堺市議、大阪府議、参院議員を経て、90年衆院初当選。現在7期目。原発問題の専門家としても知られている。

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