2024年 4月 25日 (木)

お茶の葉から規制値超えセシウム なぜ今ごろ300キロ離れた神奈川で

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   神奈川県産のお茶の葉から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され、「なぜこんな離れたところで」と波紋が広がっている。専門家によると、その理由は、樹木の新芽にみられる、ある特性にあるというのだ。

   セシウムの規制値超えは、福島第1原発から約300キロも離れたところだ。そこから、なぜかお茶の葉だけが、しかも爆発事故から2か月も経って検出されたことになる。

「溜まったセシウムが新芽に流れた」

   神奈川県の発表によると、特産「足柄茶」の茶葉からセシウムが検出されたのは、2011年5月9日のサンプル検査から。その値は、食品衛生法上の暫定規制値1キログラム当たり500ベクレルを超える550~570ベクレルだった。一番茶が5月6日に出荷・販売されており、県は11日、関係先に茶葉の回収や出荷自粛を要請。新茶の季節だけに、ネット上でも、周辺産地のも含めて、お茶を飲むのに不安の声が漏れている。

   大気中の放射線量は、神奈川県では、爆発事故後に一時的に増加することはあったが、4月半ば以降は平常値が続いている。また、県によると、県産の小松菜やホウレンソウについては、放射性物質は不検出だった。

   それにもかかわらず、なぜ今ごろ原発から離れた神奈川県で、お茶の葉だけが規制値超えしたのか。

   この点について、県の農業振興課が、農水省を通して専門の研究者に照会したところ、新芽の特性に関係があるとの推測結果が出た。

   この研究者は、取材に対しては、次のように説明している。

「冬の間も茂っていた葉に、大気や雨に含まれるセシウムが付着し、葉がそれを吸収して溜めていたことが考えられます。新芽が出るときには、糖分やアミノ酸、ミネラルなど大事な成分が樹木内から新芽に流れていくのですが、溜まったセシウムも同時に流れたはずです。それで、新芽にセシウムが濃縮して、規制値超えになったのではないでしょうか」
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