2024年 4月 30日 (火)

「雪男」発見に向け大捜索行われる 本気で研究に取り組むロシア政府

人気店や企業から非公開の招待状をもらおう!レポハピ会員登録

   世界各地で長年、その存在が議論されている「雪男」について2011年10月、国際会議と大規模な捜索が実施された。ロシア・シベリア地方の町に研究者が集まり、雪男が目撃されたという場所で実地調査を行った。

   国際会議では「雪男が存在する確率は95%」と発表。ロシアには大学内に専門の研究機関が設置されるなど、いたってまじめに研究に取り組んでいる。

シベリア南西部で3日間にわたり「国際会議」

「雪男調査隊」がロシア・ケメロボ州の洞窟に向かう(写真提供:Bigfoot lunch Club)
「雪男調査隊」がロシア・ケメロボ州の洞窟に向かう(写真提供:Bigfoot lunch Club

   雪男は国や地域によって「イエティ」「ビッグフット」と呼び名は変わるが、そのイメージはおおよそ、全身毛むくじゃらで、2本足で歩く類人猿のような姿だ。日本でも「謎の生物」といった扱いで、しばしば話題に上る。

   しかし中には、雪男は決して想像上の生き物ではなく実在するものとして調査・研究に励む人も少なくない。その1人がロシアの国際人類学センター、イゴール・ブルツェフ所長だ。

   1965年から雪男の研究に携わり、ロシア国内だけでなくモンゴル、米国にまで雪男の影を追って何年にもわたり探索に赴いている。そのブルツェフ所長を含めた各国の研究者が2010年10月初旬、シベリア南西部のケメロボ州で3日間にわたる「国際会議」に参加したのだ。

   会議のハイライトは「現地調査」だ。国際人類学センターによると、開催地に選ばれたケメロボ州周辺には、雪男がおよそ30「人」生息しており、その数は近年3倍に膨れ上がっているという。調査にはロシアや米国、スウェーデンなどから集まった研究者だけでなく、米ウォールストリートジャーナル(WSJ)をはじめメディアも加わった大々的なものだったようだ。

   一行は大型のトラックに乗って原野を越え、山林に入る。数週間前に雪男の足あとが見つかったという洞窟にたどり着くと、各国の学者が懐中電灯を片手に内部を探索。すると、新たな足あとが残されていたという。しかしそれは右足だけで、しかも1つしかなく、やや不自然にも見える。WSJも「あまりにもすぐに発見できた」とやや皮肉交じりに伝えた。

「雪男ツアー」で売り出したい?

   WSJによると、今回の会議の開催にあたってはロシア当局から資金的な援助が出たという。調査隊や報道陣が、雪男の目撃情報があった山間部に入る前、「儀式」として民族衣装をまとった現地の人が野外で歌い、それにあわせて雪男の着ぐるみが踊る場面が見られた。しきたりのようだが、地域色を出す観光サービスのようなにおいがしないでもない。シベリアの辺境で経済的にも豊かとはいえない地だけに、政府当局側がこの地域を「雪男ツアー」で売り出し、観光化を促進して収入につなげていきたいとの思惑もありそうだ。

   それにしても、ロシア側の雪男発見にかける意気込みは並大抵ではない。ケメロボ州の州立大学には「雪男研究所」まで新設し、今回の国際会議でも主要な役割を担ったブルツェフ氏を所長に据えるという。ブルツェフ氏は2011年3月、英デイリーメール紙の取材に対して「ロシアでは、約30人の権威ある科学者が雪男の研究をしているが、今後はこれらの科学者を新研究所に集め、一元的に研究を進めていく」と説明、雪男との接触を目標に掲げた。

   今回の国際会議では、雪男がケメロボ州に生息する可能性は95%と極めて高い数字が発表された。地元の住民からも「真っ白な毛で覆われた巨漢の生物を見た」といった話は出ている。しかし目撃証言は多いがどれも確証はなく、「95%」の根拠も不明。実地調査でも、「足あと発見」以外は特筆すべき成果は得られていない。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中