2018年 7月 21日 (土)

自動車教習所、銀行など地方へ広がる 「社員として」弁護士採用する企業

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   企業が弁護士を社員として採用する動きが地方へも広がりつつある。「企業内弁護士」は、東京だけで約9割にのぼるのが現状だ。

   北陸銀行(本店・富山市)は2012年1月上旬、新人弁護士3人を新入社員として初採用した。

新人弁護士の就職難で「優秀な人材確保できる」

   給与待遇は、大学院卒の総合職と同じで、初年度は年収約300万円(時間外手当を除く)。もっとも、弁護士会の会費など「経費」年約100万円は会社負担で、実質的には「プラス100万円」ともいえる。来年度以降も新人弁護士を定期採用していきたい考えだ。

   北陸銀の広報担当者によると、3人はいずれも20歳代半ばから後半で、コンプライアンス(法令順守)担当部署などに配属された。新人弁護士の就職難の中、優秀な人材を確保できる好機であることや、一般行員の法律的な助言役としても期待できることから定期採用に踏み切ったという。

   また、中国銀行(岡山市)も1月上旬、2人の新人弁護士を初採用した。

   こうした企業内弁護士は全国的には急増中だ。日本組織内弁護士協会(東京都)によると、2011年6月段階で全国に588人。01年と比べると約9倍に伸びている。業種は、大手商社や銀行、家電メーカー、証券会社など多岐に渡っている。

   一方、地方企業への浸透はまだ少ない。企業内弁護士の所属弁護士会を地域別にみると、東京だけで約88%、大阪を含めると約94%に上る。「企業内弁護士ゼロ」や「1人だけ」の県が多い。

中国銀行の採用は岡山県内で初の事例

   司法試験の合格者増に伴う新人弁護士の就職難が指摘される中、当初の想定ほど企業内弁護士の需要が伸びていないことが一因との分析もある。

   企業内弁護士の数が「10年で9倍」の一方、「想定の伸びより少ない」との指摘があることについて、日本組織内弁護士協会の片岡詳子理事長に話を聞いた。片岡理事長は、自身も企業内弁護士として働いている。

   片岡弁護士は、「想定の伸び」の予測数字を把握していないので評価できない、としながらも、個人的な感想としては、自身が2001年に弁護士4年目で家電メーカーに入社した当時と比べると、「(9倍に増えた)588人という今の数字は、隔世の感があります」と話した。

   また片岡弁護士は、今後も地方を含め、企業内弁護士は増えていくとみている。特に地方では、「県内の1企業が1人だけ採用してみた」という状況が多く、企業内弁護士を置くメリットが徐々に浸透している過程にあるようだ。今後、「2人目、3人目」の採用を検討する企業や「うちの会社も1人採ってみよう」という動きが出てくるのでは、というわけだ。

   先に触れた中国銀行の取り組みは岡山県内では初めてで、同県内では自動車教習所のウエストジャパン興業(岡山市)も1月中旬、28歳の新人弁護士を初採用した。

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