2024年 4月 27日 (土)

「『仰げば尊し』に異論」 「教師への尊敬を強要」しているのか

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歌詞の「師」は、「学校の先生だけではない」

   中原校長は、保護者らの反応を教員らへメールで送った。一部には反対論もあるかもしれないが、社会通念上は「仰げば尊し」を歌うことは歓迎されていると考え、来年度からも歌っていく方針を示した。

   中原校長自身はどう考えているのか。「まず、学習指導要領や府条例で決まりがある君が代斉唱とは、問題の次元がまったく別です」と指摘した。

   国歌斉唱以外では、「仰げば尊し」を含めどんな歌を歌うかは、学校ごとに自由に決めればよい。生徒や保護者の意見を聞きながら、教職員らが話し合い、最後は校長が決済する。

 「『仰げば尊し』を守るべきだ、と考えているわけではない」

   しかし、教職員らとの話し合いの場では、「歌詞にある『師』とは、学校の先生だけでなく、自分たちを育ててくれた人一般を指し、感謝を示しているのではないか」という意見を述べた。また、

「あくまで問題は、教職員の服務規律の意識の低さ。『仰げば尊し』より、マスコミにはこちらの問題をもっと報じてほしい」

と注文をつけた。

   先の「ベテラン教員」の指摘のように、府の国歌起立条例を受け、「仰げば尊し」に反対する教職員が増えている傾向はあるのか、日本教職員組合(日教組)のある大阪府関係者にきいてみた。すると、統計はないが「仰げば尊し」を歌っている学校はかなり少ないとみられ、「話題になっていない」とのことだった。

   「仰げば尊し」への異論は以前からあった。朝日新聞の2011年1月26日付のコラム「天声人語」では、歌詞の「わが師の恩」などの句に対し異論があるとして、「だんだん歌われなくなった」と指摘していた。

   小中高校の卒業式ソングに関して、「すららネット」(eラーニング教材を展開)が3月7日発表した調査結果によると、総合1位は、埼玉県の中学校長らがつくった「旅立ちの日に」、2位はレミオロメンの「3月9日」だった。4位には「栄光の架橋」(ゆず)、5位には「ありがとう」(いきものがかり)が入った。

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