2024年 3月 29日 (金)

日商が「エネルギー政策」 原発「40年で廃炉」を容認

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   日本商工会議所が「エネルギー・原子力政策に関する意見」と題する提言をまとめ、岡村正会頭が枝野幸男経済産業相、藤村修官房長官に申し入れた。財界三団体の中で、経団連は原発推進、経済同友会は「縮原発」を主張しているが、もともと原発推進の日商が原発事故後、政策を見直すのか、注目されていた。

   今回、日商は「当面は原発を維持するが、将来的には廃炉とともに原発が減っていくのはやむを得ない」(幹部)と、民主党政権の唱える稼働40年の廃炉を容認する立場を鮮明にした。

「現行の原子力の計画は見直さざるを得ない」

   一見すると、民主党政権の脱原発依存を容認する政策とも受け取れるが、核燃料サイクルの維持や、建設中の原発の工事再開を認めるなど、全体的に原発推進のトーンが強い内容となっている。

   日商は、原発のプラントメーカーでもある東芝相談役の岡村氏が会頭を務めるが、岡村会頭は会見で「原子力政策を推進しようというようなことは言っていない。安全性、安定供給、コスト、環境、安全保障等々を含めてエネルギーミックスを作ると、その中に原子力も当然入るだろうということを申し上げている」と述べ、「日商は原発推進」との見方を否定した。

   エネルギーミックスとは、経済産業省が今夏に見直す「エネルギー基本計画」の中で、2030年の電源(発電電力量)の内訳を示すもので、現行計画は原発の比率を53%(2007年の実績は26%)、再生可能エネルギーを21%(同9%)などと位置づけている。原発事故をきっかけに、原発依存度の高い現行計画の見直し論議が進んでおり、日商も「現行の原子力の計画は見直さざるを得ない」と、初めて原発比率の縮小を認めた。

   しかし、日商は数値こそ明示しないものの、2030年時点でも原発は一定程度は残るとみている。興味深いのは、民主党政権の「運転開始から40年を経過した原発を原則として廃炉にする」という政府方針を日商が認めている点だ。原則40年の廃炉方針について、経団連は立場を明確にしていない。

   岡村会頭は「原発は40年稼働とすると、20年後にはかなりの数が廃炉になってくる」「これから廃炉が増えてくる状態の中で、当然(原発の)ウエートは減る。新規に作ろうとしているのは、そう多くない。果たして、原子力には基幹エネルギーとして何%持ってもらったらよいか、という議論になる」と、原発がフェイドアウトしていくことを容認する考えを示した。

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