2018年 7月 20日 (金)

もう梨畑ではない… 空に伸び放題の枝が花で満開【福島・いわき発】

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   梨の花が満開になった。支柱を立て、番線を張った「梨棚」が花で埋まった。ところが、この梨畑はどうだ。空に伸びた徒長枝も花で満開になっている(=写真)。そんな梨畑を初めて見た。


   いわき市平から小川町の夏井川渓谷へと車を走らせた。国道399号~県道小野・四倉線(同じ一本道)沿いに数カ所、梨畑がある。この時期、梨の花は棚に沿って水平に咲く。というより、梨農家は冬、枝を整理・誘引して垂直には花が咲かないようにする。養分を集中させるのと、収穫を容易にするためだ。


   梨農家の1年をネットでチェックすると――。春の芽かき・摘蕾・摘花・人工受粉作業に始まり、初夏の摘果、そのあとの袋がけ、収穫がすめば晩秋~冬の剪定・粗皮削りと周年、仕事が続く。6月の暑い盛り、来年の花芽を残しながらの徒長枝剪定もある。


   「百姓バッパ」を自称した作家吉野せいは、夫の詩人三野混沌(吉野義也)とともに梨を栽培して生計を立てた。「芽の残し方なんか、この芽ならいい花がつくってことはもう冬のうちから見通しです」「果物づくりは面白いので、わたしはよく研究しました」。1歳にも満たずに亡くなった次女には、「梨花(りか)」と名づけた。それほど梨栽培に打ちこんだ。


   梨農家はこうして、梨の木をいとおしみながら栽培を続ける。それなのに、なぜ徒長枝でボサボサの棚になったのか。


   気になって別の梨畑を見た。花は枝が誘引されて水平に咲いていた。徒長枝はない。梨棚の下では何人かが午後3時の一服中だった。受粉作業に精をだしていたのだろう。徒長枝だらけの梨畑は、やはり梨畑ではなくなったのだ。理由は? 行きずりのドライバーにはむろんわからない。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
■ブログ http://iwakiland.blogspot.com/

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