2019年 10月 14日 (月)

電子書籍なのに紙の本より高い 「不思議」な値段設定なぜなのか

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   大手出版社の文藝春秋が、2012年3月から「月刊文藝春秋」の電子版を国内で販売開始した。海外在住者向けには既に配信していた電子版だが、国内の読者からも要望が高かったためという。

   ところが電子版の価格は1000円で、紙版の840円を上回る。ほかにも国内の出版社では、同じ内容の書籍で電子版と紙版を同額にしているところもある。米国では、電子書籍の小売価格が紙版の定価の半額というケースがある点を考えると、国内ではいまだに割高な印象がぬぐえない。

アマゾンの電子版販売価格は半額以下

「月刊文藝春秋」がスマートフォンでも読めるようになったが、紙版より高い
「月刊文藝春秋」がスマートフォンでも読めるようになったが、紙版より高い

   「月刊文藝春秋」電子版は、インターネットの電子書籍販売サイトで購入可能だ。電子書籍専用端末を使って、あるいはスマートフォンやタブレット型端末、パソコンに専用ソフトを入れて閲覧する。

   価格が1000円と、紙版より高く設定した理由について文藝春秋事業開発局は、「電子書籍を紙の本より安くするところはあるが、当社は必ずしもそれにならわなくてもよいと判断しました」と回答した。加えて電子版の制作に伴う手間や費用を考慮し、社内で検討したうえで決めた値段との説明だ。

   しかし電子版では、紙版で連載されている作家、村上龍さんの小説を「ご本人の意向をくんで掲載していない」(文藝春秋事業開発局)という。値段が高いうえに中身も減っているとなれば、「損した」と感じる読者がいるかもしれない。

   電子書籍の値付けは出版サイドによってまちまちだが、紙版と同額というケースはしばしば見られる。2011年に発行された「スティーブ・ジョブズ」(講談社)は電子版、紙版ともに1、2巻それぞれ1995円だ。一方、米国での価格を見ると紙版の定価は35ドル(約2800円)なのに対して、米アマゾン・ドット・コムの「キンドルストア」で扱われている電子版の販売価格は14.99ドル(約1199円)と半額以下となっている。もっともアマゾンは紙版を16.85ドル(約1348円)まで値下げしているが、それでも電子版の方が「お得」なのは変わらない。

   岩波書店は2012年4月から、既刊書籍を中心に電子版の配信をはじめた。だが価格はいずれも紙版との差がゼロだ。

   米アマゾンでは電子書籍がハードカバーと比べて低価格で販売されていることから、国内の電子書籍の値段に関して消費者の間で不満が聞かれる。インターネット掲示板では、「紙版と電子版が同じ価格で発売」といったニュースが流れると「その価格なら普通に本買う」「電子書籍が普及しないわけだ」と批判的なコメントが並ぶ。

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