「原発ゼロ」は核燃サイクルの放棄
プルトニウムは核兵器の主原料。新戦略策定の直前になって米国が「重大な関心」を示してきたのは、「原発ゼロ」が詰まるところ核燃サイクルの放棄につながることを見抜いているからだ。プルトニウムが、使用目的があいまいなまま日本に「貯蔵」されれば、核拡散防止条約(NPT)体制が崩れ、米国の対イラン、北朝鮮政策にも重大な脅威となりかねない。
この問題の解決はまだ先の話となるが、政府内では「新戦略を厳格に守るならば、使用済み核燃料は米国がニューメキシコ州に建設を進める最終処分場に引き取ってもらうしかない」(経産省関係者)というささやきが漏れている。