震災後初のピアノ発表会を支援【岩手・陸前高田発】
「震災で亡くなった仲間に、私たちの音楽を届けよう」
これまでは年に一度は発表会を開催していましたが、2011年は叶いませんでした。「今年こそ発表会をしたい」という声が生徒たちから上がり、田村先生からお話を伺ったさぽうと21とAARは、生徒たちのやる気を応援しようと開催を支援することにしました。秋を目標に発表会を企画し、生徒たちのレッスンにもますます熱が入りました。家にはピアノがないため、レッスン後に教室に残って練習をしたり、学校のピアノを借りて練習する生徒もいました。
発表会当日の10月7日は、生徒・保護者が総出で会場を設営しました。震災で亡くなった友達に、自分たちの音楽を届けたいという思いから、ステージは屋外にしました。教室からピアノを運び出す作業は、専門業者が無償で行ってくれました。AARは音響設備や備品の用意、プログラム作りなどをお手伝いしました。天気予報の通り、何度となく雨雲が押し寄せ小雨がぱらつきましたが、開始まであと30分というところで、突然青空が広がりました。願いが通じたと、生徒たちは大喜びです。午後1時、仮設教室の駐車場にて、田村尚子ピアノ教室発表会『空にひびけ はじめの一歩』が幕を開けました。
最初に田村先生がAARの地雷廃絶キャンペーン絵本『地雷ではなく花をください』(文・柳瀬房子/絵・葉祥明)の一節を朗読し、この発表会を開く意味、たくさんの応援があって今日を迎えられたこと、支え合って生きることの尊さについて語りました。次に小学校低学年の生徒7名が並び、開会のあいさつをしました。「今日はどうしてお外で発表会をするの?」「それはね、お空にいるみんなに私たちの音楽を届けるためだよ」「それじゃ、私たちがんばらなきゃ」「うん!」