2019年 11月 19日 (火)

黒田夏子さんの「abさんご」が品切れ状態 難解さが魅力? 発行9万部に

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   史上最高齢の75歳での芥川賞受賞が話題になった黒田夏子さんの「abさんご」。その話題性に加え、独自の文体が評判を呼んで2013年1月20日発売の初版発行分は発行元の文藝春秋社でさえ「品切れ」状態となっている。

   ただ、全文横書きで平仮名を多用し、かぎカッコやカタカナ、固有名詞の一切を排除した実験小説はやはり、十分すぎるほど難解だ。辛口なネットユーザーらの感想も「手強い!」「この作品を楽しまれる方がうらやましい」などが多い。

誰も「abさんご」を論じられない?

   芥川賞効果はてきめんだった。複数の都内書店を22日に巡ったところ、「abさんご」は売り切れ状態で、文藝春秋社も「初版8000部の在庫は当社にも1冊もないんです」とうれしい悲鳴だ。

   同社によると、「abさんご」の書籍発売を決めたのは12年9月の早稲田文学新人賞の受賞直後だったため、初版部数は控えめになったという。芥川賞受賞で8000部は完売し、今週末に出荷する2刷の部数は6万部に上る。すでに3刷、2万2000部の追加発行も決まり、累計では9万部に達する予定という。

   新聞各紙によると、作者の黒田さんは1937年(昭和12年)に東京で生まれた。早稲田大学教育学部を卒業後、教師や校正者などとして働く傍ら、同人誌で小説を書き続け、63年には『毬』で読売短編小説賞に入選している。作家としての本格的なデビューは昨年秋の早稲田文学新人賞がきっかけだったという。

   一方、各紙とも黒田さんのこうした経歴には触れていても、芥川賞受賞作の「abさんご」の内容に踏み込んだ記事は見当たらない。新聞やネットであらすじを調べても「黒田さんの自伝的小説で、幼子が成長して両親を見送るまでの物語」など漠然とした記述にとどまっている。

   今回、記者が一読して、各紙の紹介があっさりしていた理由が理解できた。あらすじを書こうにも書きづらい内容なのだ。固有名詞やかぎカッコがないため、努力してページをめくっても、ストーリーが薄ぼんやりとしか頭に入ってこない。おまけに横書きのうえ、平仮名が意図的に多用されている。

   この、平仮名を漢字に変換しながら読み進める作業は、思いのほか大変だった。平仮名が大半を占める文章を前にしては、速読は通用しない。意図的に熟読を強いているとも言えるのだろうか。

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