2018年 7月 24日 (火)

電子書籍時代、いよいよ本格到来へ 文藝春秋や講談社も「手ごたえ」実感

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   前評判の高さに反して「伸び悩み」が伝えられてきた電子書籍業界だが、ここに来てようやく変化が出てきたようだ。

   「電子書籍元年」と騒がれた2010年から4年目、相次ぐ参入やスマートフォン・タブレットなどの普及も後押しし、売れ行きも徐々に伸びているようだ。

50歳未満の半数が電子書籍経験あり

2013年は電子書籍飛躍の年となるか
2013年は電子書籍飛躍の年となるか

   電子書籍に関して、配信サイトなどには具体的な売れ行きや販売規模などを開示していないところが多く、はっきりとした数字はわからない。それでも、各社の断片的な発表からは、その市場が着実に伸びていることが見て取れる。

   たとえばMMD研究所が2013年1月30日~2月1日にかけ、20~49歳男女673人を対象に行った調査では、電子書籍の利用経験があるという人は56.8%に達した。試しに読んだ、程度の人も少なくなかったが、うち半数近くは1か月に1度以上のペースで電子書籍を購読していたという。

   「電子書籍元年」と騒がれた2010年以来、日本では電子書籍の普及が遅れているとされてきた。しかし2012年はアマゾン・キンドルストアや楽天・koboの参入などもあって話題も広がり、ようやく一般の人にも電子書籍が身近なものになってきたことがうかがえる。

   2012年10月から日本参入したアマゾンは、インプレスR&Dの調査によるとすでに12年12月時点で、並み居る先達を押しのけてストアシェアNo.1を記録している(同社電子書籍雑誌購読者を対象としたアンケート結果より)。そのアマゾンが発表したところによれば、日本のキンドルストアでの漫画作品の販売数は、紙の書籍版の半数以上に達したという(年末年始シーズン時点)。同社の電子書籍用端末「Kindle Fire HD」も、すでに日本のアマゾン全体で「最も売れている商品」となっている。

「高い本は売れない」覆す1万DLヒット

   出版社側も、こうした空気を敏感に感じ取っているようだ。文藝春秋電子書籍制作室では、「11月末のキンドル発売ごろから、アマゾンに限らず各配信サイトでの電子書籍の売れ行きが伸び始めた」と語る。

   さらに電子書籍というと、とかく「値段が安くないと売れない」「漫画以外は売れない」という風潮があるが、同社が12年11月から配信している横山秀夫さんの小説『64』(書籍版は12年10月発売)は、1600円という「紙の本並み」の値段にもかかわらず、2か月で1万ダウンロードを超えるヒット作になった。

「紙の本で売れているものは、値段が高かったとしても、電子書籍でもやはり売れる。そのため売れている単行本を、できるだけ早く電子書籍化することに、弊社では力を入れています」

   他の出版社も同様に本腰を入れる。たとえば講談社では2012年以来、紙の本と電子書籍版の同時発売にいち早く積極的に取り組んでいる。漫画でも、角川書店が12年11月に紙・電子で同時発売した「新世紀エヴァンゲリオン(13)」(貞本義行、カラー・GAINAX)が、長くキンドルチャート全体の売れ行き上位に入るヒットを飛ばした。

   「電子書籍4年」、2013年はそろそろ電子書籍が存在感を本格的に発揮する年になりそうだ。

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