2018年 7月 21日 (土)

長谷川洋三の産業ウォッチ
トヨタ自動車社長の超慎重:円高の影響は年間を通じてトレンドを見る必要がある

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「自動車産業はすそ野が広い産業で、上は1次メーカーから下は中小企業までいろいろな人に支えられて成り立っている。海外に進出できる会社とできない会社も混在している。超円高是正が企業業績にどう反映するかは年間を通じてトレンドを見る必要がある。摺合せ技術など現場の実務の積み重ねで業績回復したところもあり、安心感を持つには時間がかかる」

   日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は2013年2月15日、東京都内で記者会見し、最近の円安が自動車企業の業績に与える影響についてこうコメントした。円の対ドル為替相場は一時1ドル=94円台まで進行し、自動車業界や精密業界の収益を下支え始めたが、慎重な発言に終始した。

「忘れてはいけないとトップからメッセージがあった」

   トヨタ自動車は12年後半からの円高修正の効果もあって2013年3月期の連結税引き前利益は前期比3倍の1兆2900億円を見込み、従来予想から1100億円上方修正するなど為替の好影響が出ている。日本からの輸出採算を反映する単体営業損益も5期ぶりに黒字浮上するなど、2008年秋のリーマンショック後に進めた合理化努力に円高修正が追い風になっている。1ドル=79円でも国内で利益が出る体制になった。

   しかしトヨタの伊地知隆彦取締役専務役員は5日の記者会見で「リーマンショックの学んだ教訓を忘れてしまいがちだが、忘れてはいけないとトップからメッセージがあった。販売台数を追うことが企業の成長と感違いすることと決別する」と発言するなど慎重な姿勢を見せた。豊田社長の発言はこうした発言を裏付けたものだ。

3年間世界全体で工場新設を凍結

   トヨタ自動車は今後3年間世界全体で工場新設を凍結し、固定費の増加を抑え、効率的に稼げる体制を目指す方針。「もっと足元を見直し、既存工場の有効利用を図ることで固定費をしっかりコントロールすることを最優先する」(伊地知専務役員)。「労使交渉は企業を取り巻く環境について認識を共有するとことに意味がある。労使の信頼関係の基本は、長期安定的な雇用を確保するため互いが努力することだ」――。豊田自工会会長はこう強調し、グローバル競争が激化するなかでも日本的経営の基本を重視する姿勢を貫いた。

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