停電事故で露見した収束作業の実態 「今度は避難しない」【福島・いわき発】

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   春分の日(3月20日)にカミサンの実家の墓参りをした。いわき市の内陸部にある。3・11に墓石が倒れたり、ずれたりした。周囲の墓石もあらかた倒れた。2年がたつ間に少しずつ復旧していった。小さな墓地である。見渡したら、3・11のままなのは一つか二つだった(=写真)。ウグイスの初音を聞いた。


   春と秋の彼岸に墓参りをする。それはしかし、日々の営みが無事に続くからこそ。3・11直後は原発事故のために避難し、墓参りが春分の日のあとになった。今年はまた、原発事故を強く意識する墓参りになった。


   福島第一原発で18日夜に停電事故が起き、燃料プールなどの冷却ができなくなった。墓参りを終えて実家に戻ると、きょうだいでその話になった。2年前の建屋爆発のテレビ映像がよみがえる。「今度は(すぐには)避難しない、孫たちは避難させるけど」「私も(避難)しない」


   「事故は収束した」とか「状態は安定している」とかいわれても、だれも額面通りには受け取っていないのだ。


   トラブルは29時間後に解消されたが、原因は仮設の配電盤にネズミがしのびこんだためらしいとわかった。ネズミ一匹で世界が凍りつく。開高健ではないが、野原がたちまち断崖に変わる。それが「収束作業」の実態なのだと、あらためて知る。線香をあげて祈るしかない。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
■ブログ http://iwakiland.blogspot.com/

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