2019年 11月 18日 (月)

済美高校「エースの5連投」に異議 投手生命絶たれる危険がある

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   甲子園球場で連日熱戦が繰り広げられた「春のセンバツ」高校野球は2013年4月3日の決勝で、浦和学院(埼玉)が済美(愛媛)を17―1で下し、初優勝を飾った。決勝まで4試合連続完投して臨んだ済美の安楽智大投手は、最後に力尽きた。

   チームを背負う1人のエースが、連投に次ぐ連投で何百球も投げる――。こんな無理を強いれば投手生命が失われる危険がある、と議論が起きた。

超高校級エースが決勝でメッタ打ちされる

甲子園は球児にとって夢の舞台
甲子園は球児にとって夢の舞台
「今日は直球で勝負できないと思い、変化球を多く投げた。抑えられなかったのは自分の力不足です」

   浦和学院に敗れた済美・安楽投手は試合後、悔しさをにじませた。初戦から4試合、663球を投げきってたどりついた決勝。4回までは無得点に抑えていたが、5回につかまる。5連打を含む打者一巡の猛攻で7点を失った。6回も続投したがさらに2失点。109球を投げ終えたところでマウンドを降りた。プロ注目の超高校級エースがこれほどメッタ打ちされたのは初めてだろう。

   1人の投手に毎試合、連投もいとわず投げさせる起用法には異論が出ている。米CBSスポーツ電子版では3月30日の記事で安楽投手を紹介。初戦で延長13回、232球を投げた後に中3日で今度は159球完投したことに「投手にとって正気の沙汰と思えないし、過酷な負担だ。成長途上にある16歳であれば、なおさら」と指摘した。

   スポーツライターの経験を持つ乙武洋匡さんは、ツイッターでこの問題に触れた。高校2年生の年齢で多くの球数を投げさせることに疑問を投げかけると同時に、「エース力投」などと美談として報じるだけで問題提起を怠っているスポーツマスコミの姿勢や、球数制限の導入を検討しない日本高校野球連盟にも苦言を呈している。一連のツイートに米大リーグ、テキサス・レンジャースのダルビッシュ有投手も反応。乙武さんに「出場選手登録を25人にして、学年別に球数制限がいいかと」と提案した。一方で、球児のすべてがプロに行くわけではない、無理してでも甲子園で燃え尽きたいから、制限などされては困ると乙武さんに意見する人もいた。

   野球評論家の江本孟紀氏は、CBSスポーツの記事に批判的だ。4月2日付の自身のブログで、「元々連投のきく地肩の強いタイプがある。そして故障しにくい美しいフォームが出来ていること。それを作る為の練習方法などによって強靭な足、腰、肩が作られる。そして最後は手首・握力のパワーが連投できる元だ」と説明し、安楽投手がこのタイプに当てはまるという。もちろん全員に安楽投手と同じように投げろというのではない。ただ「肩肘など故障をするかもしれないリスクを、勝利という代償を得て戦いプレーするのだから、あれもダメ、これもダメ等と他人がとやかく言うべきじゃない」という主張だ。

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